認知症とは脳細胞が死滅したことや活動自体が少なくなることで、認知機能に問題が発生し日常や社会生活が困難になる状態のことです。
記憶を消失する以外にも、理解力や判断力などに影響するため、介護事業者も施設での認知症のケア方法を強化させるといった取り組みが必要となる場合があります。
そこで、実際に認知症の方に対しどのようなケアを行うべきか、進行を緩やかにするためのリハビリの方法についてご説明します。
認知症になってしまう原因はいろいろありますが、発症する過程によってアルツハイマー型認知症・脳血管性認知症・レビー小体型認知症などの種類に分類されることになります。
記憶障害は加齢に伴って起きるもの忘れとは違うことに注意しましょう。
たとえばもの忘れであれば、昨日食べた夕食は何だったか思い出すことができないことはありますが、認知症の方は食べたこと自体を忘れてしまいます。
認知症を根本的に治療する方法は現在の医学ではありませんが、症状を緩和させたり進行を遅くしたりといったことはリハビリによって期待できます。
ただしリハビリの効果は個人差があるため、どの方でも改善するとはいえませんが、生活の質を向上させるためにもケアの1つとして取り組むことをオススメします。
日常生活を送るためには、掃除や洗濯、料理などいろいろな家事を行うことが必要です。
日々の生活で必要な作業を続けることで、心と身体のリハビリにつながります。
ただ、リハビリとして行うと認知症の方に伝えれば、強制されていると感じ不安や拒否したい気持ちが強くなる可能性もあります。
そのためグループホームなどでは、毎日の生活の一貫として、これらの作業を当たり前のように行っています。
身体の機能が低下すれば、同時に認知機能も低くなることとなり、うつ傾向も強まる可能性があります。
心身の健康を維持するためにも、適度な運動で身体の可動域を保つことは重要です。
脳を活性化させれば血流の改善にもつながるため、軽いウォーキングやジョギング、ストレッチやボールなどを使った運動など、興味があるものを中心に行うとよいでしょう。
たとえばグループなどで会話しながらこれまでの人生を振り返ることや、写真など見ながら過去のなつかしい記憶を思い出すことで、気持ちが安定したりコミュニケーションが活性化したりします。
積極的に話しをする方がいれば、否定せず受容し、共感する姿勢で受け入れてあげることが必要です。
音楽を聴いたり歌ったりなどにより、脳が活性化され心身も安定しやすくなります。
レクリエーションに取り入れるのも方法として考えられますし、一人の時間も好きな音楽を聴くことで精神が安定しやすくなります。
また、カラオケなどを準備すれば、他の利用者と楽しみながらコミュニケーションを取ることができるでしょう。