介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護事業者の基礎知識|学校法人と病院の関係とは

2022.01.06
分類:その他

介護事業者の中には、学校法人と病院には関連性がないと考える方もいるでしょうが、大学病院などは総合大学の医学部・歯学部・医科大学など学校施設の附属施設の病院です。

大学病院は先端的医療を推進することが大きな目的といえますが、基本的に医学・歯学における分野で「教育」「臨床」「研究」の3つの機能を組み合わせ実践されています。

そして臨床教育・臨床研究・臨床試験を担うため、大学の附属施設として大学病院が設けられているといえるでしょう。

日本では、大学設置基準により「医学または歯学に関する学部」を置いてある大学は「医学または歯学に関する学部」の教育研究に必要な附属病院を置くとされています。

ただ、医学や歯学以外の学部でも付属病院は設置できるため、看護系・医療技術系・リハビリテーション系・薬系・福祉系などの大学でも付属病院が設置されていることもあります。

大学病院を運営しているのは?

大学病院は、歯学系を除いた総合病院として運営されており、高度先進医療を推進するため特定機能病院としての認可も受けていることが多いようです。

学生が卒業した後の研修のために臨床研修指定病院の認可も得るなど、学生の実習先や就職先となるケースも多いといえます。

国立大学は文部科学省の管轄で、大学病院を設置しているのは国立大学法人です。

ただし大学病院の機能を拡充することを目的として、他の省庁からの予算で医療法人・財団法人の病院や公立病院に併設して研究施設ともなる病床が設置されることもありますが、この場合には大学病院としては扱われません。

 

研究に参加するか否かは患者の自由

一般の民間病院でも大学病院より病床数が多く、多くの医療従事者が勤務しているケースもあります。

そのため規模が大ければ大学病院というわけではなく、スタッフ教育や医学研究が絶えず行われていることが特徴です。

研究は患者自身の診断に影響のない範囲で実施され、治療に悪影響を及ぼすことはなく、さらに個人情報も最大限配慮された上で行われます。

研究に参加するか否かを決めるのは自由であり、病気を治すことだけを目的としているため研究に協力・参加しないという意思を告げても問題ありませんし、医師が強制することもできません。

ただ、大学病院が研究機関として側面を保有することを患者に理解してもらい、高度な医療を提供してもらうことと引き換えに研究に協力してもらうことが望ましいといえるでしょう。