高齢になったら老人ホームで生活し、終身サポートしてほしいと考える方もいます。
注意したいのは、ずっと老人ホームで生活の面倒を見てもらえると思っていたのに、途中で退去を求められたと不満を訴えるケースがあることです。
介護事業者は、どのようなときに老人ホームを退去してもらうことになるか、その内容を明確にしておくことが必要といえるでしょう。
老人ホームなら毎日快適な生活を送ることができますが、これまでとは異なる新たなライフスタイルの追求も可能です。
そもそも老人ホームの本来の目的は、入居者が将来自立した生活を送ることができるようにサポートすることであり、最終的な目標はすべての入居者が自宅に帰ることといえます。
そのため施設によって、自立した生活を送ることができると判断したときには、退去してもらうケースもあります。
ただ、施設での生活に慣れた後で、無理に自宅に戻すと状態が悪化することもあるため、様子を見て判断することも必要です。
老人ホームによっては、最期のときまで入居者に寄り添い、面倒を見てくれる施設もあります。
本来は自立支援が目的であるものの、終身サポートをサービスとしている老人ホームも存在しているため、この場合の施設は入居者が亡くなるまで面倒を見ることになります。
ただ、病気の悪化や問題行動の多発などで、他の施設へ移ってもらうこともあるようです。
特別養護老人ホームの場合は終身介護が原則なので、利用者本人が亡くなるまで面倒を見ますが、必ず全員が最期のときまで入居し続けることができるとは限らず、施設の都合などで途中退去の必要がでるケースもあると考えられます。
たとえば唯一の身寄りが遠方の高齢の兄弟姉妹というケースなどは、事実上、身寄りなしと判断されます。
そのため、たとえばリハビリ病院に転院後、入院可能となる病院や入所できる施設が見つからなければ、老人保健施設を転々としなければなりません。
有料老人ホームなど、人生の最期までを過ごす終身契約だった場合でも、どの程度のケアまで対応してくれるのかは施設ごとに異なります。
経管栄養・人工透析・がんの終末期ケアなどの対応は不可となるケースも少なくありませんし、入居後に認知症になったときにはその対応も明確にしておくことが必要といえるでしょう。