思うように体を動かすことができない方や、歩行が困難な方などは、「車いす」を使うことで目的の場所まで移動しやすくなります。
ただ、「車いす」にもいろいろな種類があり、利用者の症状や身体状況によって合うタイプのものを選ぶことが大切です。
そこで、「車いす」にはどのような種類のものがあるのか、ケースによって選ぶとよい種類について説明していきます。
車いすは、一般的な車いすである「標準タイプ」以外にも5つのタイプがあるので、それぞれの特徴など確認しておきましょう。
大きなタイヤが横に備わっているため小回りが利きやすいですが、前後に小さなタイヤが2つずつあるため段差の上り下りは困難であり、大きな段差のある場所や屋外では適していないタイプといえます。
筋力が弱く手で車輪をこぐことが難しいときに利用しやすいタイプの車いすで、介助用であれば、坂の昇降の際に介助者が押す力を補助する電動アシストタイプなどもあります。
背もたれを後ろに倒すことができるタイプや、車いす全体が後ろに傾くとったタイプの車いすです。
標準的な車いすは11~15kgありますが、軽量タイプであれば8~11kgと軽いことが特徴です。持ち運びが楽なので、車のトランクに積み込むこともしやすいですが、シンプルな構造なので強度が弱く、長時間や長期間の使用には適していません。
ワンタッチで広げることや畳むことが可能であり、バスや新幹線など狭い通路で扱いやすいことが特徴です。軽量タイプ同様に、長時間・長期間の使用には適していません。
車いすを利用する方の身体状態や、何のために使うのかなど用途に合った車いすの選び方は、主に次のとおりとなります。
一般的な車いすの用途として使いたいとき…標準タイプ(自走用・介助用)
廊下の狭い自宅などで小回りが利くタイプを選びたい…6輪タイプ(自走用・介助用)
筋力が弱いため手で車輪を漕ぐことができないとき…電動タイプ(自走用)
スロープや坂道で介助することが難しいとき…電動アシストタイプ(介助用)
他の車いすで座った姿勢を保つことはできないときや、低血圧を起こしやすいとき…リクライニングタイプ
歩くことはできても長距離は歩けないとき…軽量タイプ(自走用・介助用)・携帯タイプ(自走用・介助用)
体格や身体状態に合わせて細かな調整を行いたいとき…モジュラー式(自走用・介助用)
また、S・M・Lなど利用者の体格に合わせ、サイズによる車いす選びも可能です。