介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護職員や介護福祉士でも対応できる「医療行為」とは?

2022.02.09
分類:その他

介護のプロといえる「介護福祉士」は医療従事者ではないため、医療行為は基本的に行うことはできません。

しかし介護現場では、医療行為に準じた働きも必要になるケースが多いため、2012年には介護士による医療行為が解禁され、介護福祉職の医療行為も一部解禁されています。

そこで、どのような医療行為であれば介護福祉職でも行ってよいのか、その内容について説明していきます。

介護の仕事で行うことのできる「医療行為」の種類

介護福祉士に限らず、介護の現場での仕事で可能となる医療行為は以下のとおりです。

・体温計を使った体温測定

・自動血圧測定器を使った血圧測定

・酸素濃度測定器を装着する(新生児以外で入院治療を必要とする方に対して)

・軽微な切り傷・擦り傷・やけどなどに対する処置(ガーゼ交換含む)

・湿布の貼付

・軟膏塗布(床ずれ処置以外)

・目薬の投薬

・服薬の介助(薬を飲ませる)

・坐薬の挿入

・鼻腔粘膜に対する薬剤噴霧の介助

医師法・歯科医師法・保健師助産師看護師法などの法律で医療行為とされているものの、規制対象に含まれない行為として、次の行為が挙げられます。

・耳垢の除去(耳垢塞栓の除去以外)

・爪切り・爪やすり

・歯ブラシや綿棒を使った口腔ケア(歯・口腔粘膜・舌など)

・ストーマのパウチに溜まった排泄物廃棄

・自己導尿補助でのカテーテル準備・体位保持

・市販の浣腸器を使った浣腸

 

介護福祉士で対応してもよい「医療行為」の種類

介護現場での医療行為についても、「介護福祉士」のみが許されている行為には、次のことが挙げられます。

・喀痰吸引(定期的に痰を取り除く)

・経管栄養(体外から管を通し栄養や水分を投与する)

介護福祉士の国家試験で実務経験を経て受けるときには、実務経験3年以上と介護福祉士実務者研修を修了していることが必要です。

介護福祉士実務者研修では医療についても学ぶため、上記のような医療行為が可能となっています。

喀痰吸引等研修を受けた介護福祉士であれば認定特定行為業務従事者として、痰の吸引ができるようになりました。

ただし、本人やその家族の同意を必要とし、医療者による監督のもとで医師や看護師と連携して行うことが必要です。

 

介護の仕事でやってはいけない「医療行為」

一部の医療行為は介護現場でも認められいますが、基本的には医療従事者ではないため医療行為は禁止されています。

禁止されている医療行為として、

・インスリン注射

・摘便

・床ずれ処置

・血糖測定

・点滴管理

などが挙げられますので、これらの行為は看護師に行ってもらうようにしましょう。