どの国でも介護サービスに対するニーズは高まっていると考えられますが、超高齢社会である日本と比べ、アジア各国の高齢化はどのように進んでいるのでしょう。
日本・中国・タイ・ベトナム・インドネシアのアジア5か国は人口構造が異なりますが、この中で日本は65歳以上の人口がすでに3割近くに達しています。
中国やタイも日本と同じく少子高齢化の傾向が見られるのに対し、ベトナムとインドネシアは15~64歳の生産年齢人口が増えることが予測されているといった違いがあります。
ただ、どの国でも高齢者は増えつつあるため、どの国でも介護サービスに対し需要が増えることが見込まれます。
アジア各国の都市部に在住する方の生活者年齢構成比をみると、日本(東京)・中国(上海・北京・広州・天津・深セン)・タイ(バンコク)は人口構成が似ています。
60代の割合は15~17%で、比較的多めといえるでしょう。
その一方で、ベトナム(ハノイ・ホーチミン)・インドネシア(ジャカルタ)は、60代の割合が低く、20代・30代が多めの割合となっており、健康課題が異なると予想されます。
健康問題として挙げられる疾患は、
・高血圧
・関節疾患
・脂質異常症
です。
ただ、国により違いがあり、年代だけでなくビール消費大国のベトナムでは肝臓病の割合が最も高いなど、食文化も影響するといえるでしょう。
日本は他国よりも健康問題が少なく、反対に中国やベトナムでは健康問題が多く発生しているといえます。
日本の場合には医療機関や医療制度が充実しているため、薬処方や通院など病院頼みの傾向が高くなっています。
他のアジア各国の場合、日本と異なり医療機関や医療制度の充実性には課題を抱えていますが、東洋医学を重視する傾向があるため、生活習慣を通じた対応が必要という意識が高いといえます。
なお、中国・タイの場合、運動・食事・睡眠など生活習慣を規則正しいものにすることで対処しているのに対し、ベトナムは運動・サプリ、インドネシアは睡眠・水分摂取など対処方法は世代や文化の違いで異なっています。
介護に対するニーズは、アジア各国で共通しており、思いやり・清潔さ・安心感・親密・親しみなどおもてなしが重視されているといえます。
日本では質の高いサービスが提供されることは当然と認識されているのに対し、他国では施設により質が異なるため、より質の高いサービスへの需要が高いと考えられます。