介護施設ではたくさんの高齢者が集まることになるので、日常から感染症対策を徹底して行うことが必要です。
そこで、介護施設で感染症を予防するためにどのような対策を実践していけばよいのか、その内容についてご説明します。
厚生労働省から公表されている「高齢者介護施設における感染症対策マニュアル」には、感染対策の基本は感染させないことと感染しても発症させないこととされています。
そのため、感染させる病原体を持ち込まないこと、持ち出さない、拡げないことが重要といえます。
感染症予防にはマスクや手洗いなどが重要であることは、この重要な項目を確認すれば納得できることでしょう。
介護施設で流行を起こしやすいインフルエンザやノロウイルスなどは、施設内で新規に発生するというよりは、利用者が外泊していたときや、新しい利用者が入ったとき、家族など面会者や外部の方の施設への出入り、介護スタッフなどが施設内に持ち込むことがほとんどです。
施設が一丸となり、手洗いやうがいを徹底して行い、マスクを着用することを促すことが必要です。
高齢者は免疫が低下していることもあるので、日常から十分に栄養と睡眠を取り、インフルエンザに関してはワクチンを接種して前もって免疫を得ておくことも必要です。
利用者本人やその家族にワクチンの意義や有効性、副反応なども事前に説明しておき、同意を得た上で予防接種を行うようにしてください。
また、利用者だけでなくスタッフについても、予防接種歴や罹患歴を確認し必要なワクチンなどは接種しておくことが必要です。
感染対策の基本が感染させないことと感染しても発症させないことということは、感染を制御することであり、適切な予防と治療を行うことです。
血液、体液、分泌物、排泄物、嘔吐物、創傷皮膚や粘膜など取り扱いを行う場合には、手洗いを徹底することやマスクの着用以外にも、手袋やゴーグルの使用、エプロン、ガウンの着用なども検討するべきですし、介護ケアに用いた器具はしっかり洗浄・消毒することも行いましょう。
介護施設では特に嘔吐物、排泄物の処理に注意が必要です。詳しくは厚生労働省の「高齢者介護施設における感染対策マニュアル改訂版」に記載がありますので一読しておくようにしましょう。
参考:厚生労働省 高齢者介護施設における感染対策マニュアル改訂版