介護保険法が改正になったことで介護保険制度はこれまでと何が違う?

介護保険制度について定められた法律が介護保険法です。介護保険は高齢者の介護を社会全体で支え合うための仕組みですが、財源となるのは税金、そして被保険者からの保険料です。
高齢化が進む日本では、介護ニーズの高まりを受け、充実した介護サービスを多くの方が利用できるようにと、この介護保険制度もその内容が改正されています。
そこで、2018年に改正された介護保険法では、どのような部分に変更があったのか、その内容をご説明します。
今回の改正で従来と変更になった点
介護保険制度は定期的に改正が繰り返されていますが、2018年度では社会保障費に焦点があてられた内容になっていることが大きな特徴です。
3割負担が導入に
介護保険で利用者が負担する割合は1割または2割ですが、所得が特に高い利用者層については負担割合を3割まで引き上げられました。
高額介護サービス費における自己負担上限の引き上げ
高額介護サービス費は、利用料が一定の上限を超えると、超えた分の払い戻しを受けることができます。これは所得の低い方の利用負担を軽減させることで、介護サービスを利用しやすくすることを目的としています。
ただし所得の高い方の高額介護サービス費については、自己負担上限が引き上げられています。
要介護・要支援認定の有効期限が延長に
介護サービスを利用する上で必要な要介護・要支援認定の有効期限が、それまでの24か月から36か月に延長されました。
介護療養病床の廃止に伴い「介護医療院」を新設
長期的な医療と介護のケアを一括して利用できる介護療養病床が廃止されることが決まった代わりに、看取りやターミナルケアも対応できる介護医療院が新設されました。
福祉用具貸与価格が適正された
福祉用具貸与は同じ商品なのに利用する業者によってその価格に差が生じていました。
そこで、商品ごとの全国平均貸与価格を公表されるようになり、業者も設定価格と平均価格を利用者に提示して説明することが義務付けられるようになっています。
それによって、利用者が適正価格で福祉用具をレンタルすることができるようになりました。
共生型サービスが開始に
高齢者・障がい者のどちらも同じ事業所でサービスを利用できるのが「共生型サービス」です。
介護保険と障害福祉、それぞれの事業所が認可指定を受けやすくなったことで、障がいを持つ方が高齢になった時、共生サービスなら同じ事業所を継続して利用できます。
介護サービスを有効に利用するために
改正される内容はその時の時代にあった内容となっていますので、今後も繰り返し法制度が改正されることになるでしょう。介護サービスを有効に利用するためには、どのような変更があったのか、都度その内容を把握しておくことが大切です。