介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

福祉業界の景気は新型コロナウイルスの影響により大きく変化した?

2020.05.20
分類:その他
高齢者が増加している中、景気のよい業界と位置付けられることが多い福祉業界も、新型コロナウイルス感染症の拡大により深刻な影響が及んでいる状況です。 一般社団法人全国介護事業者連盟では2020年4月22日に「新型コロナウイルス感染症に係る経営状況への影響」という緊急調査結果を公表しています。 この調査結果により、今後福祉業界はどのような景気変動があるのか予測していきましょう。

今後福祉業界の景気は悪化?

新型コロナウイルス感染症により、経営に大きな影響があったのは福祉業界の中でも通所介護です。 8割超の事業所が経営に影響があるとしており、感染拡大によってさらに深刻化すると考えられています。 適切な感染予防対策を構築することに加え、規制緩和や金融支援対策は欠かすことができない状態です。

半数の事業所に影響が

4月22日に公表された一般社団法人全国介護事業者連盟の「新型コロナウイルス感染症に係る経営状況への影響」という調査は、2020年4月2日~10日の間に実施されたものです。 同連盟会員事業所を対象に行っており、有効回答数は全部で1789事業所となっています。 すべての種別においての経営への影響については、最も多かったのは「影響を受けている」と回答した事業所であり、その割合は49.3%と約半数です。 それに加え、「影響を受ける可能性がある」と回答した事業所も44.3%となっており、「影響はない」と回答した事業所はたったの7%でした。

経営に影響があった事業所の種類

経営に影響を受けていると回答した事業所で多かったのは、訪問介護が31%、有料老人ホーム29%、続いて特別養護老人ホーム23%、グループホーム6 %という結果で、通所介護では82%に上る結果となっています。 中には売上が大きく減少し、休業や倒産に至ってしまう通所介護も7事業所あるなど、事態は深刻です。 感染リスクを不安視する方が増え、利用数に影響があったことも大きく関係していますが、他にも利用者の家族の仕事が休みになったことで利用休止となったことも影響しています。 当日キャンセルなどが発生することで、スタッフが過剰配置になってしまうといった事態も起きており、営業活動の縮小から今後の新規顧客獲得が難しい状況であることも理由として挙げられるでしょう。

福祉業界の景気は今後落ち込む?

中長期では景気後退で入居マインドが落ち込むことを懸念する声もあり、スタッフが感染した時の対応や子どもの休校などで人員不足が発生するなど、様々な事態を引き起こすこととなりました。 介護サービスは利用者やその家族をはじめ、地域を支えている社会インフラです。 適切な感染予防対策を構築しながら、事業を継続できるような金融支援対策などが求められる状況となっています。