福祉業界で今トレンドとして扱われているものとは?
人口に占める高齢者の割合はどんどん高くなっており、高齢化社会の中で福祉業界に対するニーズは高まっているといえます。
その福祉業界でも、最近のトレンドとして見られるのがICTやAI、ロボットなどを活用した運営です。
人材不足が顕著化している福祉業界にとって、これら最新技術は救いの手となる存在として期待されています。
介護現場でトレンドになっているのは?
介護現場の最近のトレンドとして注目されているのが、AIと呼ばれる人工知能やロボットを活用した業務です。
全国各地の介護施設で、AIや介護ロボットを導入する試みが見られるようになりましたが、AIを活用したケアマネジャー支援の実証実験は愛知県豊橋市や福岡県福岡市の民間会社ですでにスタートしています。
ケアマネジャーが作成するケアプランを、AIの補助により作っていく形となるため、業務が効率化されることが期待されます。それにより、今よりもさらに質の高い介護サービスを提供することにつなげることができるでしょう。
厚生労働省もAIによるケアプラン作成支援や、介護ロボットによるケア支援へは積極的に取り組んでいるため、どの施設でもAIやロボットが見られるようになる日はそれほど遠くないのかもしれません。
認知症ケアもロボットがいれば安心?
介護ロボットが介護施設に導入されれば、体力仕事といえる利用者の移乗や移動、排せつに入浴などのケアにおけるスタッフの負担が軽減されます。
また、認知症の方に対する見守りやコミュニケーションなども介護ロボットがサポートできれば安心です。
新型コロナのリスクも軽減される
AIや介護ロボットが注目されるようになったのは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大も影響しています。
介護現場では利用者とスタッフが接触することが多いですが、もしも高齢の利用者がスタッフから新型コロナに接触感染してしまったら…。
そのようなリスクを回避するためにも、ロボットを導入していれば…と想像した介護事業者も少なくないはずです。
問題は予算と国の方針との開き
ただ、AIや介護ロボットの導入にはコストがかかるため、日本ではまだ多く利用されていません。
負担やリスクは軽減されるメリットがあるとわかっていても、予算の問題で導入できない介護事業者もいます。
さらにAIや介護ロボットに任せることができる業務には限りがありますが、現場の声と国の方針に大きな開きがあるのも、導入が進まない要因となっているようです。
その上コストがかかるため、費用対効果が見えにくい機器をどのタイミングで導入するべきか、決めかねているケースもめずらしくないといえるでしょう。