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福祉業界にまつわるニュース|介護職の処遇改善調査が10月実施

2021.08.25
分類:その他
福祉・介護業界で気になるニュースといえば、介護職の処遇改善について現在どのような状況なのか、その進捗の調査が行われることでしょう。 厚生労働省は介護職の処遇改善について、その進捗を把握するために2021年10月、調査を実施する方針を正式に決めたそうです。 結果が公表されるのは2022年3月が予定されているため、その結果を待つ必要があります。

介護職の処遇改善加算や特定処遇改善加算の効果を確認

2021年4月、介護報酬はプラス0.7%に改定されたものの、実際に介護職の給与水準がどのように変動しているかが多くの介護従事者の関心となっていることでしょう。 人材獲得競争の激化などで、介護職の賃金を上げようという介護事業者も増えたと見られます。 ただ実際に、介護職の処遇改善加算や特定処遇改善加算がどの程度効果があったのかわからないため、今後の施策を検討する上の資料としても調査が行われるようです。 厚生労働省は、専門家会議で調査票の原案を提示していましたが、コロナ禍による影響での変更された項目もあります。 新型コロナによる影響を確認する項目が加わり、対象サービスに居宅介護支援が含められています。居宅のケアマネジャーの給与水準を明確化することで、介護職員との違いも確認しやすくなるからでしょう。 調査対象となるのは、特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護付きホーム・グループホーム・小規模多機能・訪問介護・通所介護などです。

前回調査による結果

2020年4月に実施された調査による結果を見ると、特定処遇改善加算取得事業所で月給・常勤の介護職員の平均給与(基本給+各種手当+ボーナス)は、その前の年よりも1万8,120円高くなり、32万5,550円でした。 なおこの金額は、税金や保険料が差し引かれる前の額面であり、手取りではありません。 各種手当には、月ごとに変動する残業代や夜勤手当なども含まれ、ボーナスや一時金が支払われているケースでは2019年10月から2020年3月までに支給された額の6分の1が加算された上での結果です。 しかし今年4月の介護報酬の引き上げは一時的なものであり、2024年度の次期改定では2015年度(マイナス2.27%)と同等またはそれ以上の引き下げもあり得ると警鐘も鳴らされています。

コロナ禍による財政悪化で次期介護報酬改定は引き下げに?

この悲観的な見通しは、コロナ禍で国の財政が悪化したことにあり、給付費の抑制策を断行するのではないかという予測もされています。 そして3年後には、報酬改定でシビアな決断をされるという懸念がされているといえるでしょう。 科学的介護・自立支援・重度化防止などに積極的に取り組んでいく介護事業所は生き残ることができるよう、その環境を用意した反面で、取り組みを行わない介護事業所は淘汰されても仕方がないという方向に舵を切ったのではないかとも考えられています。