現状からあるべき姿までの道筋を示す「経営計画」は、1年単位で作成する「短期経営計画」だけでなく、3~5年先までを示す「中期経営計画」や10年先の「長期経営計画」まで検討することが必要です。
建設会社の経営者も、適切な経営計画を立てて売上・利益目標に向けた取り組みを検討することが必要ですが、企業を成長させるために必要なポイントについて説明していきます。
重点事業や、働き方改革、生産性向上に向けた取組みなど、様々な将来の経営ビジョンを示しています。
企業が成長するために解決させていきたい項目として、主に次のことが挙げられます。
・利益が出ていない(マイナス成長)
・2~3年先の受注が見えない
・競合他社の業績が好調である理由が分からない
・業界の最新の成功事例を把握できていない
・経営者同士が情報交換する場がない
・経営者の考えや会社の方針が社内で周知されていない
・組織の改善に向けた基準や指標がない
・売上や利益など数値目標を示す計画がない
この中で1つでも該当する項目があれば、経営危機を迎える予備軍とも言い換えることができます。
数値の目標や指針などがなくても会社経営はでき、さらに競合他社の分析はしなくても成功できたという例もないわけではありません。
しかし企業を成長させるためには「経営」について検討する時間が必要であり、「経営計画」を立てることで企業経営の見直しや将来のビジョンについて話し合う場を設けることができます。
経営者の理想やアイデアを組織全体の「目標」として明確化することにつなげることができるでしょう。
実際に「経営計画」を作成するときには、どのようなことをポイントとして押さえておけばよいのか把握しておいてください。
たとえばスーパーゼネコン・準大手・中堅ゼネコンなどは、中期経営計画を公式サイトなどに公開しているため、参考にすることにより建設業界の課題や将来に向けたトレンドなど掴むことが可能です。
ただし地場ゼネコンなどは中期経営計画の一部のみの公表にとどまっていたり社外秘だったりなど、情報を十分に得ることができない場合もあります。
そのため市況調査や外内部環境を整理するなど、計画の妥当性をしっかりと検証することも必要になるといえるでしょう。