建設業界では欠かすことができない建築資材ですが、高騰が激しい状態であるといえます。
2021年のウッドショックに続いて、2022年にウクライナ情勢などの影響もあり、建築費資材は高騰している状態です。
そこで、なぜ建築資材は高騰しているのか、その理由について解説していきます。
建築資材が高騰している背景として、主に次のことが挙げられます。
・慢性的な人材不足
・ウッドショックの影響
・住宅設備の供給不足
・燃料・電力の高騰
・円安の影響
・ロシアに対する経済制裁
それぞれの背景について説明します。
建築費が高騰している理由として、現場の慢性的な人材不足が挙げられます。
建設現場の職人は高齢化しており、離職率も高い業界のため、若い担い手が不足しています。
既存の職人を奪い合う形では人件費も高騰し、建築費自体上昇しているといえます。
建築費が高騰している理由として、ウッドショックが挙げられます。
ウッドショックとは、輸入木材価格が高騰することですが、そのきっかけはアメリカで郊外に家を建て移転する人が増えたことです。
また、世界的にコンテナが不足することとなり、海上輸送運賃も上昇したことが関係するといわれています。
同時期に中国の住宅取得需要も高まり、アメリカと中国の2大経済大国で木材需要が高騰したことが、価格高騰につながったと考えれます。
日本では主に給湯器など住宅設備の供給不足となっており、その背景には新型コロナウイルスによるベトナム工場閉鎖などが関係します。
海外の生産工場の稼働が停止し、供給が不足してしまったことで、建築資材高騰にも影響を与えたと考えられます。
ガソリン代や電気料金などが高騰したことで、運搬する運送費も高くなり、結果として建築資材も高騰したと考えられます。
資材や設備の加工工場でも電気を使用するため、建築資材高騰につながったとも考えられるでしょう。
日本は建築資材の調達を輸入に頼っているため、円安も資材高騰の原因といえます。
世界の主要国は物価上昇対策として中央銀行が金利を上げていますが、アメリカと日本の金利差も広がりつつあり、アメリカの金利上昇で円よりドルによる運用を希望する人が円を売りドルを買うようになったため、円の価値が下がる円安となったといえます。
円安は輸出において日本に有利ですが、輸入になると日本に不利になります。
ウクライナ情勢によるロシアに対する経済制裁で、世界各国が資源をロシア以外から輸入する動きとなり、建築資材も高騰してしまったといえます。