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建設工事の代金の支払い期限とは?下請代金に関するルールを紹介

2024.10.23
分類:経営

建設工事は、契約金額が大きい仕事であるため、材料や原料などの仕入れに費用がかかっている分、はやめに報酬を受け取ることができなければ事業継続が難しくなるケースもあります。

 そのため、建設工事請負代金は、期日までにしっかりと受け取ることが必要といえますが、元請は下請へいつまでに支払うことが必要なのでしょう。

 そこで、建設工事の代金の支払い期限について、下請代金に関するルールを紹介します。

下請代金の支払いルール

 下請代金は、下請法の60日ルールに従いましょう。

 下請法の60日ルールでは、下請事業者から物品または役務の提供を受けた受領日から起算し、60日以内に支払期日を定めて全額を支払うこととされています。

 下請事業者の利益を保護するためであり、親事業者が支払期日を不当に遅く設定することを防ぐためといえます。

 支払期日までに下請代金が支払われなかった場合、受領日の60日経過後から実際に支払いがあった日までの日数に、年率14.6%を掛けた遅延利息が発生します。

  

下請代金の支払い方法

 下請法では、下請事業者に責任がないのにも関わらず、発注の際に決めた金額から一定額を差し引いて下請代金を支払うことを全面的に禁止しています。

 また、下請代金の支払い方法はできる限り現金で行うことが望ましいとされています。

 手形などを使用する場合、下請事業者の負担が重くなることのないように、現金化にかかる割引料などのコストを考慮した金額に設定することが必要です。

 なお、政府は2026年までの約束手形の利用廃止や、小切手の全面的な電子化の方針を示しています。

 そのため金融業界でも、2026年度末までに紙媒体の手形や小切手から、電子的決済サービスに移行することを進めているようです。

 繰り返しになりますが下請代金の支払期日は、親事業者が下請事業者から物品や情報成果物などを受け取った日から60日以内のできるだけ短い期間内に定めることが必要とされています。

 60日を超えてしまった場合には、下請代金の支払遅延の禁止に該当し、下請法違反となるため注意してください。

下請法違反が発覚した場合、公正取引委員会の調査が行われ、是正勧告や50万円以下の罰金の対象になる可能性もあります。

勧告では、違反行為を取り止めることや、下請事業者の不利益を回復すること、再発防止措置などが求められます。

さらに企業名や違反事実概要は公表されることになるため、十分に注意して取引を行うことが必要です。