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合同会社とは?株式会社との違いや建設業におすすめの法人形態を紹介

2025.03.25
分類:経営

建設業を営む会社として、株式会社ではなく合同会社を選択するケースも見られます。

ただ、建設業が会社を設立するとき、合同会社のメリットが理解できていなければ選べません。

そこで、合同会社について、株式会社との違いや建設業におすすめの法人形態を紹介します。

株式会社とは

「株式会社」とは、株式発行で資金を集め、資金で事業を行う会社形態です。

株主が株式を所有し、株式数に応じて会社の所有権を持ちます。

株式は、出資してくれた方へ株式会社の発行する有価証券です。

会社に利益が生じれば、配当を受け取ることや、株主総会を通じて会社経営に参加できます。

株主は資金を投じることで、経営へ参加する権利を得ることができるともいえます。

 

合同会社とは

「合同会社」とは、出資者と経営者が同一であり、出資者全員が有限責任を負う会社形態です。

アメリカのLLCLimited Liability Company)をモデルとした会社形態であり、2006年の会社法改正により導入されました。

株式会社は出資者と経営者は異なることが多いものの、合同会社は出資者が経営します。

合同会社では出資者を社員と呼び、すべての社員に会社の決定権が付与されますが、出資割合によっての所有権となります。

 

株式会社と合同会社の違い

株式会社と合同会社の違いは、所有と経営が分離しているかです。

まず株式会社は、基本的に出資者である株主と経営者が異なります。

対する合同会社は、所有と経営が一致し、出資者と経営者が同じです。

また、株式会社と合同会社には、メリットとデメリットに違いがあるといえます。

 

【株式会社のメリット】

・合同会社よりも知名度や社会的信用力が高い

・株式の発行により資金調達ができる

 

【株式会社のデメリット】

・出資額に応じた利益配分が決定する

・合同会社と比べたときに設立にかかる費用や手続が複雑である

・決算公告義務があるため負担や掲載料が発生する

 

【合同会社のメリット】

・株式会社よりも設立費用を抑えることができる

・所有と経営が一致するためスピーディな意思決定が可能である

・決算公告の義務がないため手間や費用がかからない

・役員の任期はない

・利益配分を自由に決めることができる

 

【合同会社のデメリット】

・株式会社よりも知名度が低い

・出資者(社員)同士の対立で意思決定が困難になる恐れがある

・資金調達方法が株式会社より限定される

なお、合同会社でも建設業許可は取得できます。

合同会社で建設業を運営しても、株式会社と比べて不利になるわけではありません。