建設業の工事の単価とは、工事に必要な材料費・労務費・機械器具費などの合計金額を、施工単位であらわした金額です。
1坪・1メートル・1日など、一定の単位における費用といえます
そこで、建設業の工事単価について、標準単価(土木工事標準単価)・市場単価に関してもあわせて解説します。
「工事単価」とは、「坪単価」や「施工単価」とも呼ばれる単価であり、解体工事全体の金額を概算するために、一坪の金額をあらわした参考価格です。
地域・業者・建物構造などで変わりますが、たとえば、坪単価3万円で30坪の建物を解体するときの解体費用は90万円になります。
しかし、坪単価は概算の工事費用を求める参考価格です。
実際の工事見積もりは、作業や養生にかかる費用と、廃棄物処分費用などの価格をそれぞれ計算しなければわかりません。
坪単価から予想した金額とは、大きく異なるとも考えられます。
そのため、見積もりにおいては実際に現地を確認・調査した上で提示することが必要です。
「標準単価(土木工事標準単価)」とは、標準的な工法を用いた工事の施工単位あたりの工事費です。
工事業者の施工実績を全国調査し、機械経費・労務費・材料費などの必要項目の積み上げにより求めます。
仮設ガードレール設置工や防草シート設置工などの特別調査の多い工種を、建設物価調査会が自ら歩掛で全国調査し、得た歩掛を積み上げて算定します。
歩掛は年1回の周期で見直しがあり、2018年度からは国土交通省の「土木工事標準積算基準書」に正式掲載されています。
以上により、標準単価を土木工事標準単価と呼ぶこともあります。
「市場単価」とは、元請け業者と下請け専門工事業者の間の取引における、単位施工あたりの価格を調査した価格です。
材料費・労務費・機械経費・運搬費・下請経費などの市場における実際の取引価格といえます。
実際の市場価格を、直接積算に用いる方式が市場単価方式であり、公共工事の積算で使う労務・材料価格などに歩掛をかけて積み上げる標準単価は使用しません。
本来であれば、市場を反映した単価を使ったほうが実態に即します。
しかし、材料の種類や工法は幅広いため、単価の種類も多く、市場単価を完全に網羅することは難しいといえます。
そのため、電気設備工事や機械設備工事などの市場性または汎用性の高い項目や細目では、使用されることもあるようです。