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建設工事における受託物とは?工事現場の廃棄物の責任の所在

2020.04.22
分類:経営

建設工事において必要な第三者から預かった受託物を施設内で保管しているとき、または受託物の集配目的で施設の外で管理しているときなどは、トラブルにより預け主に返還できなくなることは避けなければなりません。建設業界における受託物とは、たとえば元請けから支給されている資材などが該当しますが、取り扱いの不注意などにより壊したり、汚したり、盗まれたりしたため、預け主に返還できなくなったら困ります。

では、建設工事に伴い排出される廃棄物は、受託物として扱われるのか、誰の責任で廃棄することになるのかご説明します。

工事現場で排出される廃棄物の責任の所在は?

元請責任という言葉を耳にしたことがある方もいるかもしれませんが、建設工事に伴い排出される廃棄物は、原則として工事の元請けが排出事業者であることを意味しています。

廃棄物は発生場所が一定ではないことや、その量は膨大であり種類も多様であること、さらに混合状態で排出されることが多いものの、分別すれば再生利用できるものも多いといったことが元請業者に責任を課す理由のようです。

そして建設業界特有といえる重層下請構造により、廃棄物を取り扱う業者などが多数存在してしまうこともその理由とされています。

重層下請構造が責任の所在を不明確にさせる

重層下請構造により、工事は元請けから下請けに、下請けから孫請けに、孫請けからひ孫請けにというように、1つの工事には多くの建設業者が関係することになります。

不適正な処理などが発生した場合でも、責任の所在を明確にしにくくなるため、原則、元請けの責任にしておくことでそれぞれの現場における廃棄物の管理を行ってもらうといった考え方をしています。

仮に元請けが下請けに廃棄物処理を丸投げし、事故が起きれば元請けが罰せられることになるということです。

 

下請けが排出事業者になれるケースもある

ただし、原則、元請けの責任としていても一部例外も定められています。

たとえば解体や新築・増築を除く建物の建設工事や建築物などの瑕疵の補修工事で工事請負金額が500万円以下の場合や、特別管理廃棄物以外の廃棄物の場合、1度に運搬する廃棄物が1㎥以下の場合などです。

他にも要件はありますが、すべての要件に該当する場合のみ、下請けでも排出事業者になることができます。

1度に運搬する廃棄物が1㎥以下という部分からわかるように、極少量の廃棄物しか取り扱うことはできません。そのため、排出量が少なすぎるため自己運搬で済ませたいという以外は、元請け管理の下で許可業者に委託したほうがよいといえるでしょう。