
建設工事業における親方個人事業主は、雇用されずに個人で仕事を請け負う職人です。
高度な専門技術を持つ人が多いため、現場を安定した品質で支える役割を担います。
しかし、現在は腕の良い親方個人事業主でも、生き残れるとは限らない時代へ突入しました。
技能だけでなく、デジタル活用による事務処理能力や法制度への理解、適正な利益確保に向けた交渉力がなければなりません。
現場の親方個人事業主たちが正当な評価を受けて、次の世代の若者たちが憧れを抱き、あんなふうになりたいと思える存在であることが理想です
そこで、建設工事業における親方個人事業主の役割について、存在の立ち位置を解説します。
建設工事業で働く親方個人事業主は、卓越した技能を持つ職人であり、複数の下請け職人をまとめるリーダー的存在です。
従来までは、親方個人事業主の背中を新人職人が見て学ぶ徒弟制度でしたが、現在はマニュアルに沿って教えるなどの方法が取り入れられています。
しかし、現場で培った勘や経験による段取りなどは、親方個人事業主独自で得たノウハウであるといえるため、次世代へ伝える重要な役割も担っています。
建設工事業でも、インボイス制度の導入や働き方改革などの影響で、自己責任が強化されています。
国税庁が導入したインボイス制度では、これまで免税事業者だった親方個人事業主でも、適格請求書を求める取引先への対応に追われています。
たとえ、本来は免税事業者であっても、適格請求書を発行できる課税事業者へ転換するのか、取引価格を是正するのか厳しい選択しなければなりません。
税務の問題ではなく、受注競争力へ直結する課題ともいえるでしょう。
また、建設工事業でも残業規制が強化されているため、親方個人事業主本人の労働時間に関する管理能力も問われるようになりました。
国土交通省の指導強化により、建設現場の入場において、社会保険の加入が実質的に必須となりました。
建設工事業における一人親方は、従業員を雇用せずに自分一人または家族のみで仕事をする個人事業主があるため、会社員が加入する厚生年金や健康保険には加入できません。
そのため、建設組合に加入しているのなら建設国保、そして基礎年金の国民年金に加入します。
労災保険については、労働者ではないため対象外ではあるものの、特別加入制度を利用すれば現場でのケガや病気における補償を受けられます。