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公共工事に関係するインフレスライドとはどのような意味?

2020.09.16
分類:経営

公共工事設計労務単価の上昇に対応できるようにと、国土交通省は新労務単価に対する契約変更・インフレスライドを運用しています。

都道府県にも同じく、インフレスライドの運用に努めることを要請しており、自治体の公式サイトなどでもその運用について公表されています。

そこで、インフレスライドとはそもそも何なのかを知っておくようにしましょう。

インフレスライドとは?

インフレスライドとは、予期することができない特別な事情によって、工期内に日本国内で急激なインフレーションもしくはデフレーションが発生し、請負代金が著しく不適当になった場合において金額変更を請求可能とする措置のことです。

国土交通省は20193月から公共工事設計労務単価(新労務単価)と設計業務委託等技術者単価(新技術者単価)を適用し、公表しています。

予定価格への新労務単価・新技術者単価の早期適用と、一定要件を満たす既契約工事にはインフレスライド条項を適用させることとしました。

さらに201931日以降に契約締結となる工事・設計等委託で、旧労務単価または旧技術者単価が適用されている契約でも、新労務単価または新技術者単価を適用した金額に変更する特例措置を適用するとしています。

 

国土交通省が公表している令和23月からの単価ポイント

公共工事の品質確保の促進に関する法律は平成266月に改定されていますが、その中でも予定価格の適正な設定が発注者の責務だとしています。

令和2214日には、国土交通省が令和2年3月から適用となる公共工事設計労務単価を公表していますので、主な改訂後の単価ポイントは次のとおりです。

・全国全職種単純平均で対前年度比2.5%の引き上げとなる

・労務単価には事業主が負担する必要のある必要経費分の人件費は含まれない

必要な法定福利費相当額を加算するといった措置を実施した平成25年度の改訂からは8年連続引き上げされており、全国全職種加重平均値は20,214円で最高値を更新しています。

また、労務単価に事業主負担の人件費が含まれないことで、下請代金に必要経費分を計上しない行為や下請代金から値引く行為は不当行為とみなされます。

なお令和元年10月には公共事業労務費調査が実施されていますが、週休2日や年間有給休暇の取得など技能労働者の就労環境についての調査内容であり、その結果も公表されていますので一度目を通しておくとよいでしょう。