2020年7月から8月にかけては、念願の東京オリンピック・パラリンピックがいよいよ開催されることになります。
東京オリンピックの開催が決まってからは、建設業界では仕事が増え景気が一気に戻ったと喜ばしい状態が続いたと感じた経営者も少なくないでしょう。
しかしその反面で、東京オリンピックが終わってしまうと、仕事がなくなってしまうのでは…と不安を抱えることもあるようです。
実際には、東京オリンピックが終わった後も建設業界は以前と変わらない環境で仕事を続けることができると考えられます。
なぜなら2025年には大阪万博、2027年にはリニア新幹線が開業予定であるなど、仕事は東京オリンピックに限られているわけではないからです。
通信技術の発達で電波塔などが関係した設備を新設しなければならないこと、老朽化するインフラの整備や公共工事、それに加えビルやマンションの大規模修繕など、行わなければならないことは山のようにあります。
東京オリンピックは建設業界も慌ただしいので、それ以降に仕事を依頼したいという方もいるはずなので、業務がたまっているとも考えられます。
そのため、不安視される東京オリンピック後も、堅調に推移するのではないといえるでしょう。
日本は少子高齢化が進んでおり、住宅や施設など高齢者が住みやすい、利用しやすい工夫や設備がどんどん取り入れられるようになっており、すでに建設業界への需要は高まっています。
2025年にはベビーブーム世代といわれた方たちが75歳以上という後期高齢者となります。今よりもさらに後期高齢者が増えることで、多くの介護施設が必要となるとも予想されますし、一般住宅でお住まいの方もバリアフリー化などが必要となってくるでしょう。
このような状況から、建設業界で危ぶまれるのは仕事量ではなく、それに対応する人材をどのように補うかということになります。
建設業界は慢性的な人材不足であり、特に若手の人材が不足しているといえます。現在、現役で働いている方たちの高齢化が進めば、せっかく需要はあるのに供給が追いつかないという悪循環が生まれてしまうでしょう。
労働時間の改善や休日を確保できるようにするなど、労働環境の改善に取り組む企業もありますし、女性なども建設業に参入できるようにするといった働きやすい環境づくりや取り組みを行っている企業もあります。
特にインフラ整備や災害の時には建設業界は欠かすことのできない存在ですので、今後、さらに人材が不足しないような取り組みを行っていくことが必要であるといえるでしょう。