日本は少子高齢化社会になっており、今後もますますその状況が深刻化するといわれています。建設工事を行う建設業界もその影響が及ぶのは例外ではなく、若い人材が不足し今働いている人材は高齢化するといったことが危惧されています。
そして国土交通省の資料では、建設業就業者は約34%が55歳以上であり、29歳以下はたったの約11%とされています。
年齢別の就業者数を確認しても、60歳以上は約80万人なのに対して、29歳以下は約35万人です。若い人材を確保しなければ、少子高齢化会社による人手不足がさらに進むといえるでしょう。
建設業が人手不足に陥っている理由として、若者の建設業離れと建設業従事者の高齢化が挙げられます。
若者が建設業を敬遠し、建設業離れが進んでいる理由として挙げられるのは次のことが関係しています。
建設業界は休日が少なく、休みが取りにくい業界として若者に敬遠されがちです。
産業別の週休2日制の実施状況などを見ても、1週間に2日休日がある週が1か月で1回以上ある企業はすべての産業の87.2%です。
建設業も89.2%とその水準は変わらないものの、完全週休2日制を導入している企業をみると他産業よりその水準は低くなります。
仮に週休2日制度が導入されていたとしても、実際に休日を取得できるかという部分で厳しい実情が浮かびあがります。
現実的には休みは週1回という場合もあり、それ以下の休日数の方も過半数を超えるなど、休みが取りにくいことも問題として挙げられます。建設工事は限られた工期のうちに終わらせなければならなりませんし、天候にも左右されやすいため休日をとりにくくしているといえるでしょう。
建設業の職人の給与は日給月給制の場合も少なくないため、業務に従事した日だけ賃金が発生することから長期の休日が増えると給与は少なくなります。
天候により作業ができなくなれば賃金も発生せず、収入が不安定ともいわれています。
「3K」といわれる「きつい」「危険」「汚い」といったイメージが建設業は強く、肉体労働であることや高所作業など危険がつきまとうこと、土埃などで汚れてしまうといったイメージが若者の建設業離れを大きくしているといえます。
しかし少子高齢化社会によりどの業界でも労働者が不足することが予想されています。もっとも人手不足が深刻化している建設業界では、次世代を引き継ぐ職人となる人材を確保することは重要な課題と捉えておく必要があるでしょう。