建設工事の請負契約は高額になりがちですが、実際には工事原価も高いため、建設業者の得る利益はそれほど大きいとはいえません。
しかし、施主に適切な工事代金であることを理解してもらうことは難しく、ときには建設工事代金を巡るトラブルも発生してしまいます。
トラブル回避のためにも、建設業法では請負契約書の作成が義務付けられていますが、なぜ契約書作成が重要なのか説明していきます。
建設工事の請負契約書は、発注者と元請業者間の契約においてのみ作成義務があるのではなく、元請業者と下請業者間でも義務付けられています。
しかし建設業者間の下請負契約の場合、「注文書」と「注文請書」を作成して請負契約書の代わりにしていることが多いのが現状です。
請負契約書に記載しなければならない内容は全部で16項目です。
工事内容や請負代金額、工事着手の時期及び工事完成の時期など複数の項目について抜かりなく記すようにしましょう。
そして本体工事だけではなく、追加工事についても請負契約書を作成することが必要です。
建設業界は工事途中に追加工事が発生することもあれば、工事内容が変更されることはめずらしくありません。
そのため追加工事や工事内容が変更されることにより、次のようなトラブルが起きてしまいがちです。
「追加工事にかかった代金を払ってもらえない」
「工事内容変更の追加料金を払ってもらえない」
「確かに工事内容変更の依頼があったのに依頼していないといわれてしまう」
もしも変更契約書や変更依頼の記録などがあれば、このようなトラブルが起きても正当な主張が可能となります。
後で発生するトラブルを防ぐためにも、追加工事や工事内容変更についても契約書を作成しておくべきといえます。
もしも工事の追加や変更をサービスで対応するときには、どこからどこまでを無償にするのかなど記載しておかなければ、一部サービスを全部サービスと捉えられてしまい、やはりトラブルにつながります。
請負契約書は、発注者だけでなく仕事を請け負う建設業者を守るためにも必要です。
適切なサービスを提供し、その対価を受け取ることができるようにするため、取り交わした約束は請負契約書という形に残しておいてください。