日本は人口が減少傾向にある時代を迎えたといえますが、様々な分野で人手不足が問題視されています。
以前と異なる労働環境で、建設業界もその変化に対応していくことが必要とされていますが、そもそも建設業界には将来性や需要が期待できるのでしょうか。
建設業界の動向は社会全体で起きたことや景気の波に強く左右されやすいですが、将来性や今後の需要について解説していきます。
日本の建設業界は、
・リーマンショック
・東日本大震災と復興特需
・インバウンド向けホテルの建設ラッシュ
・東京オリンピック関連インフラ工事需要増
など、短い期間で浮き沈みを繰り返してきたといえます。
3大都市圏の再開発やマンション建設なども相次ぎ、業界の環境自体は好調な状況が続いているともいえるでしょう。
大阪万博開催などはあるものの、今後は先行きの見通しが困難な状況ともいえますが、堅調に推移するとも考えられています。
堅調な推移が予想されるなど、建設需要は底堅いといえますが、その反面で人手不足の問題が深刻化しています。
人材が不足しているのは、技術者や職人など現場で働く人材だけでなく、施工管理責任者など工事監督や事務を担当する管理者としての人材も同様です。
仕事はあっても人手が足りずに工事ができないという「手持ち工事」が増える状況であるため、建設業界の求人需要はきわめて大きく、積極的に採用活動を行いながら待遇面の見直しや改善にも注力しているといえます。
そのような努力があっても、若い世代は建設業界への入職を避ける傾向が高く、今人気のIT企業などに集中している状況です。
中長期的なスパンで建設業界の将来性を見ると、けっして明るいとも言い切れません。
日本は少子高齢化が進んでおり、人口が減少するにつれて建築需要もだんだんと低くなっていくことが予想されるからです。
建設業許可を取得している建設業者数も、2000年は60万業者とピークを迎えましたが、そこからだんだんと減少しています。
直近の建設業許可取得業者数は47万業者ほどにまで落ち込み、特に人口の少ない地方では淘汰が進むことも予想されます。
このような状況を重く見た大手ゼネコン各社は、エネルギー事業や環境事業など建設事業以外の新規分野に進出することに取り組んでいます。
中小の建設会社でも、事業を多角的に展開させていくことが必要になる時代が来るのかもしれません。