家の新築で工事が始まる前には、「地鎮祭」を開催することがあります。
そもそも地鎮祭とは、家の完成が無事に終わるように祈願する昔からの慣習といえますが、具体的に何をするのかわからない方もいることでしょう。
そこで、地鎮祭の目的や具体的な流れについて説明していきます。
「地鎮祭」は、家を建築する前に土地を守っている氏神様に、土地の利用許可を得ることを目的として行われます。
建築に必要な工事を安全に行うことができるように、祈願するための儀式です。
土木工事や建築工事では、無事に工事を終えることができるように、神主を招き安全を祈願します。
ただし必ずしも必要というわけではなく、全国的に浸透している風習だとしても、行うかは施主が決めても特に問題はありません。
時代の変化に伴い、地鎮祭を行わない方もいるため、義務ではないことは認識しておくとよいでしょう。
地鎮祭を行うのなら、六曜の吉日とされる「大安」「友引」「先勝」の午前中がよいとされています。
「仏滅」「先負」「赤口」や「三隣亡」は避けたほうがよいようです。
ただ、工事の日程や都合上、吉日を選ぶことができるとも限らないため、六曜にこだわり過ぎずに、日程調整したほうがよいといえます。
当日の地鎮祭では、次のような流れで儀式が進められていきます。
①手水(両手を洗い心身を浄める)
➁修祓(祭壇や参列者を祓い清める)
③降神(神様を祭壇に迎える)
④献饌(神様にお供え物を食していただく)
⑤祝詞奏上(神様への報告と工事の安全祈願の祝辞を読む)
⑥四方祓い(米・塩をまき土地のお祓いをする)
⑦地鎮(鍬入れや鎮め物を埋める)
⑧玉串拝礼(神前に玉串を捧げる)
⑨撤饌(お供え物を下げる)
⑩昇神(神様をお送りする)
⑪直会(神酒で乾杯する)
新型コロナ感染症の予防対策のため、直会は省略することもあるようですが、通常であれば儀式は30分程度で終わります。
地鎮祭で必要になるものはいろいろありますが、施主はお供え物と初穂料(玉串料)を用意しましょう。
儀式で使用する笹竹・白木の鍬・砂などは、ハウスメーカーや神主が用意してくれることが多いといえます。
お供え物は、米・奉献酒・塩・海の幸3種類・野菜3種類以上・果物3種類などです。
神主へのお礼である初穂料は2~5万円が相場ですが、お車代を別途5千円から1万円程度準備しておくことも必要です。
また、近隣の方への挨拶回りの際に、2千円から3千円程の粗品を準備しておき、渡すようにしましょう。