建築・土木・測量技術者の有効求人倍率をみると、令和3年度は5.27倍であるなど高めの傾向です。
有効求人倍率が高いのに求職者が少ない状況ですが、実際、建設業の就業者数は減少傾向にあり、建築業も人材不足が慢性化しています。
そこで、建築業はなぜ人材不足が慢性化しているのか、その原因について解説していきます。
建築基準法では、建築物の新築・増築する業種を建築業としており、建設業は建築物に加え道路やダムなどを作る業種のこととされています。
建築業も建設業に含まれる業種といえますが、その建築業の人材不足が深刻化している理由として、次の4つが挙げられます。
・人材の若年層が少なく高齢化している
・離職率が高い
・建築需要の急激な激減・拡大で業務が回らない
・労働環境が厳しい
それぞれの理由について説明していきます。
若年層が建築業から離れているといえますが、その理由として挙げられるのが建築業はマイナスイメージが強いことです。
福利厚生が充実しておらず、激務なのに低賃金で休みも取りにくいといったイメージが、若年層の入職者を足止めしているといえるでしょう。
高校卒業後に建設業へ就職した方の約半数は3年以内に離職しているというデータがあるほど、建築業は離職率が高めです。
業務効率化や完全週休二日制を導入するなど、働きやすい環境整備が急務といえます。
リーマンショック後、建築物の需要は激減し仕事が少なくなりました。
それによって退職や転職をする方が急増しましたが、現在、ある程度まで需要が回復した状態でも退職や転職した職人は戻ってきていません。
需要が増えても離職した職人は戻らず、新規の入職者もいない状態で業務が回らない状態を作ってしまっています。
建築業は、重い資材を運ぶことや機材を使用するなど体力仕事がほとんどです。
他業種よりも重労働であることが多く、労働時間も長めの傾向といえるでしょう。
そのため建築業は労働環境が厳しい激務というイメージが強く、就職先や転職先候補としてあがりにくい状況です。
まずは労働環境を改善させ、働きやすい職場というイメージをアピールし、入職後も長く続けることができる福利厚生など準備することが人手不足を解消に必要となるでしょう。