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建設業界の特殊な会計処理とは?建設業会計で使用する勘定科目や基準を紹介

2024.07.25
分類:総務

建設業界では、一般的な業種と異なり、特殊ともいえる受注形態によって仕事が受発注されます。

 そのため日々の会計処理においても、業務内容や対応、判断が一般的な会計処理とは異なります。

 建設業会計を理解しておくことが求められるといえますが、どのような処理が必要となるのか、使用する勘定科目や基準を紹介します。

建設業会計とは

 建設業会計とは、工業簿記を調整した建設業特有の会計処理です。

 正しく建設業会計で処理を行うためには、建設業経理事務士の資格を取得するとよいですが、資格がなくても処理方法の理解を深めておけば問題はありません。

 建設業は、工事着工から完成物の引き渡しまで、長い時間がかかります。

 売上を計上するまで他業種より時間がかかり、目的物が完成したときに多額の売上が計上されます。

 その建設業独自といえる特殊性を踏まえて、工業簿記に調整を加えた独自ともいえる建設業会計での対応が必要です。

  

建設業会計の勘定科目

 建設業会計で使用する勘定科目は以下のとおりです。

 ・完成工事高(一般的な会計での売上高に該当する勘定科目で、工事契約の売上高を計上する際に使う)

・完成工事原価(一般的な会計での売上原価で、工事契約の原価を計上するときに使う)

・完成工事未収入金(一般的な会計での売掛金で、現金で回収できていない債権を計上するときに使う)

・未成工事支出金(一般的な会計での仕掛品で、引き渡しまでに発生した工事原価未引き渡しの中で、工事進行基準を採用するときに使う)

・工事未払金(一般的な会計での買掛金で、支払っていない仕入れ代金や材料費などの計上で使う)

・未成工事受入金(一般的な会計での前受金で、引き渡し前に受領したお金を計上するときに使う)

 

 建設業会計の処理基準

 建設業会計の処理基準として、完成工事原価または未成工事支出金は、原価計算で金額を算出することが挙げられます。

 原価計算では、工事ごとの材料費・労務費・経費・外注費を含め、決算では完成工事原価報告書を費用ごとに集計します。

 通常の会計処理では、売上は商品を引き渡したときに計上し、費用は発生のタイミングで計上します。

 しかし工事契約は、工期が長くなることを踏まえて、以下の認識基準から選択することが可能です。

 ・工事進行基準(工事が進行している段階でも毎期末ごとの収益と費用を損益計算書に反映させる)

・工事完成基準(引き渡しのときに収益と費用を損益計算書へ反映させる)

 また、工事進行基準の場合は、工事単位による工事完成基準との選択ができることや、赤字工事でも適用されるといった特徴もあります。