
建設工事業において、経理はただの会計処理の担当に留まりません。
日々の帳簿を記帳すればよいわけではなく、特殊な会計基準や商習慣を踏まえた上での業務遂行が求められます。
建設工事業の経理は、現場の技術で上げた売上から得た利益や現金を、適切に管理することが必要です。
激しい受注競争の中で打ち勝つためにも、経理を単なるバックオフィスに留まらせず、管理能力を高めていきましょう。
そこで、建設工事業における経理の重要性について、会計のルールを解説します。
建設工事業においては、一般業種の会計とは異なるルールを守らなければなりません。
そもそも建設関係の仕事は、工事期間が長く、原価も巨額になりやすいといえます。
そこで、一般の会計で使用される売上高は完成工事高、仕入は未成工事支出金など、独自の勘定科目を使用します。
会計基準や収益認識のタイミングも一般の会計とは異なり、工事完了後に売上を計上する工事完成基準と、進行の程度に合わせて計上する工事進行基準から選択できます。
建設業会計のルールを理解し、適切に運用することが経理の大きな役割ともいえるでしょう。
建設工事業では、現場ごとに材料費・外注費・労務費などの経費が発生します。
どの現場でどのくらい儲けた、または損をしたのか、会社全体ではなく現場別での採算をリアルタイムで把握しなければなりません。
正確に原価計算をすることで、予算オーバーを避けたり赤字を早期発見できたりするため、現場へのフィードバックで早めの対策を講じることにもつながります。
建設工事業は、キャッシュフローが難しいといえます。
その理由は、材料費や外注費などの支払いが先行するのに対し、売掛で発生している工事代金の入金は後になるからです。
入出金のタイムラグにより、資金不足に陥りやすいため、運転資金の調達なども手続しておくことが必要になります。
経理が正確な資金繰りを把握しておかなければ、帳簿上は黒字でも手元の現金が不足する事態に陥り、黒字倒産するリスクを高めるため注意が必要です。
建設工事業は、動くお金が大きいだけでなく、外注費などの処理も複雑です。
税務調査の対象になりやすいため、請求書・領収書・工事請負契約書などのエビデンスになる書類は適切に保管・管理しておきましょう。
税務リスクを回避できれば、銀行からの信頼も勝ち取ることができ、融資審査も有利になることが期待できます。