
建設工事業において、建設資材や労務費の価格水準などの物価は、収益性や事業継続を左右する経営課題と認識しておくべきです。
世界的な原材料や燃料価格の高騰に円安以外にも、現場の人件費上昇が重なることで、建設コストが押し上げられています。
安定経営のために、物価上昇が経営にどのような影響を与えるのか、解決するために何をすべきか検討が必要です。
そこで、建設資材や労務物価の背景について、建設工事業のコスト高騰における打開策を解説します。
物価上昇により、建設資材や労務物価は高騰しています。
木材・鉄鉱石・原油などの国際的な需要が拡大したことで、世界的に木材・鋼材・管材などの原材料価格が上昇しました。
日本は、建材や燃料、設備機器などは輸入に頼りがちといえますが、歴史的な円安水準で大幅にコストが上昇しています。
現場を担う若手の職人が足りておらず、対応のために標準労務費を引き上げる必要があり、人件費の負担も増加中です。
電気やガソリンの上昇が資材の製造現場への運搬費を高騰させるなど、エネルギーや輸送コストが連鎖して上がっています。
物価高騰は、建設工事業の財務基盤や受注活動にも深刻なマイナス影響をもたらします。
もともと固定金額で契約を結んだ大型工事も、資材高騰が赤字になるなど、利益率悪化など契約不適合となるリスクがあります。
現在は、総工事費の見積もり金額の高騰で、新築計画等が見送られたり延期されたりなど、投資意欲の減退による受注減の傾向が見られます。
価格転嫁のできない元請けが、下請けに対する発注金額を据え置くなど、下請業者や職人へのシワ寄せでサプライチェーンが疲弊する恐れもあります。
下請けが仕事を受注したくても、資材調達にかかる前払い金の増加で資金繰りが厳しくなり、倒産リスクを拡大させるとも考えられるでしょう。
物価上昇など、激しい変動へ備えるためには、契約の工夫や原価管理を徹底する必要があります。
たとえば、物価変動が一定基準を超えた場合、発注者へ請負金額の変更を求めるスライド条項を導入することも方法の1つです。
資材価格の変動に合わせて、見積書の有効期間を短縮して価格を見直せる工夫も検討しましょう。
工事を受注契約後に資材を一括発注して在庫を確保すれば、さらなる値上げの打撃を防げます。