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建設業を営むなら加入しておきたい建設国保とは?

2019.09.03
分類:総務

建設業を営む方が加入する公的保険には、社会保険以外に建設国保があります。

公的保険は、従業員が働く上で抱えるケガや病気のリスク、また、出産や育児、介護、障害、失業、老齢、死亡といったいろいろなリスクに対して最低限の生活を保障するためのものです。

国土交通省では社会保険未加入の建設事業者の存在を問題視していますが、協会けんぽが運営する社会保険でなくてもよい場合もあります。

建設業を営む場合に社会保険に加入しなければならないケース

一般的には健康保険と厚生年金保険が社会保険、労災保険と雇用保険は労働保険として扱われています。

法人の場合、社会保険は1人でも雇用すれば加入義務が発生し、個人事業主であれば常時5人以上雇用しているのなら加入しなければなりません。

小規模の事業者などが社会保険への加入を敬遠しがちになるのは、負担する保険料は加入する本人だけが負担するのではなく、労使折半といって事業者も半分負担することが必要だからでしょう。

ただ、仮にパートタイム労働者であっても、労働日数や労働時間が乗用雇用者の約4分の3以上であると判断される場合には加入することが必要です。ただ、1か月以内の日雇い労働者や、2か月以内の期間労働者などは加入しなくてもよいとされています。

すでに建設国保に加入している場合は?

なお、すでに建設国保に加入している被保険者の場合、法人を設立、または常に5人以上雇用する個人事業主となっても、その事実が発生してから14日以内に健康保険適用除外の承認を受ければ、そのまま建設国保に加入しておいても問題ありません。

この取り扱いは、すでに建設国保に加入している個人事業主や一人親方などが適用されるものなので、法人や常時5人以上雇用している事業所が新規で建設国保に加入することはできないので注意しましょう。

 

一般的な国民健康保険よりお得?

建設国保は一般的な国民健康保険よりも発生する保険料が低めです。

一般的な国民健康保険の場合、前年度の総所得金額から給与所得控除や基礎控除を差し引いた金額を基準に、均等割や所得割を算出して合計した金額を保険料とします。

しかし建設国保の場合は、業態と年齢や家族数により決まるため、所得連動がないことが特徴です。一定の所得以上稼ぎがあるという場合、一般的な国民健康保険よりも安く加入できますので、個人事業主や一人親方の方で将来法人を立ち上げることや人を多く雇用することを検討しているのなら、加入を検討するとよいでしょう。