建設工事の現場に作業員を送りこむとき必要となるのが作業員名簿ですが、大切な個人情報ですので扱いには十分注意が必要です。
作業員名簿が必要になる理由は、建設工事現場では人の入退場が頻繁に行われるため、いつ誰が出入りしているか安全性を確保するために把握しておくことが需要となるからといえます。
安全衛生面での管理や労災が起きた場合の緊急対応などの上でも、必ず準備しておく必要のある書類ですが、個人情報が記載されるため紛失しないように厳重に管理しましょう。
個人情報が記載されることとなる作業員名簿ですが、作成するのは従業員を雇用するそれぞれの会社です。各会社が作成し、一次の会社がまとめて元請会社に提出をします。
作業員名簿には漏洩してはならないような情報も含まれますので、受け渡しの際に紛失など発生しないように注意してください。
作業員名簿に記載する内容ですが、一般的には全国建設業協会の様式などを参考にすることが多いようです。元請などが必要な項目を決めている場合もあるため、その場合には従って作成することとなります。
ただ一般的には主に次の項目を記載することとなるので事前に把握しておくとよいでしょう。
・所長名
元請の現場代理人を指しています。
・職種
該当する職種を記入しますが、作業員が該当する工事においての役割を確認できる書き方で記載します。
・経験年数
作業員が所属している年数を記載するのではなく、担当している仕事での経験年数を記載します。
・雇入・職長・特別教育
雇用される際に教育を受けているはずなので、その内容をすべての作業員の雇入時教育に記載していきます。また、職長教育を受けている作業員についてもその内容を記載し、追記として受講した特別教育(法令に沿ったカリキュラムで企業ごとに実施する講習)なども記入しましょう。
・技能講習
それぞれの都道府県の労働局に登録されている教育機関で実施された講習について記載する部分であり、上記の特別教育とは別の内容です。
・免許
取得している免許を記載しますが、特別教育や技能講習など受講形式のものは含まれません。
・入場年月日
新規入場者教育を実施した際に記載をします。
・受入教育実施年月日
入場年月日と同じ日付を記載しますが、被保険者番号などより漏れてはならない個人情報のため、本人から同意を得てから作成するようにしましょう。