日本は高齢化が進んでいるとはいえ、まだまだ働く意欲にあふれ、豊かな経験や知識を持った元気な方も多くいます。
そのため、建設工事を担当する建設企業などでも高齢者採用を検討することもあるでしょう。実際、高齢者の雇用促進で高齢者就業率を高めようとする動きも見られ、生涯現役社会構築に向けた環境整備も推奨されています。
ただ、高齢者採用に向けて具体的にどのように雇用環境を整備すればよいのでしょう。
日本の人口は減少傾向にあり、2065年の日本の総人口は9千万人を割り込むと予想されています。その中で65歳以上の人口の割合である高齢化率は38%という割合になると推計され、同時に生産年齢人口は約50%近くに低下するとされています。
高齢者は増えるのに、労働力人口は減少することは今後、避けることができないといえるでしょう。
そして建設業の3年目までの離職率は、高卒48.5%、大卒29.2%という高さです。
建設業界は体力勝負というケースもあり、年をとってからもずっと働き続けることは難しいと考える方は業界を離れがちです。特に20代や30代であればまだ転職に有利なため、早いうちに建設業から別の業界へと変わってしまうのでしょう。
さらに建設業界は3K職場で長時間労働というネガディブなイメージが高いですが、一時的にニーズが高まることはあっても需要が落ち着けば働く現場がなくなり収入が減ってしまいます。
現場は天候にも左右されることとなり、正社員でも日給月給というケースもめずらしくないため、収入が安定しないと業界を離れる方もいるようです。
建設業で働く女性は増加傾向ですので、人手不足を解消するなら女性労働者を採用できる職場環境整備も重要です。
そして高年齢者が年齢に関係なく働き続けることができるようにしましょう。
生涯現役社会を実現させるために、高年齢者雇用安定法では企業に対し、定年の廃止・定年の引上げ・継続雇用制度の導入のいずれかの措置を義務付けています。
建設業界は体力的に若くなければ働けないイメージが強く、そのような理由で離職する方もいます。
そこで、高齢になって現場から離れても建設業界で働くことができるキャリアプランを雇用側が構築することも求められます。
パソコンを使った事務能力や営業などスキル、 CADなどの操作スキルなどを現場の業務と並行しながら身につけてもらえる仕組みを作るとよいでしょう。
資格の取得に関しての費用について補助を行えば、従業員はスキル向上に向けたモチベーションも高まるはずです。