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建設業が所有する固定資産や動産などにかかる税金で知っておきたい償却資産の制度

2021.07.10
分類:総務
建設業でも固定資産や動産など、いろいろな資産を保有していますが、固定資産税の中で償却資産の制度を把握しておきましょう。

固定資産税のうち償却資産の仕組み

償却資産とは、会社や個人が経営する中で、事業のために使用することができる有形資産のことです。

「事業のため」とは、工場の製造機械など、直接利益を生む資産のみを指すのではなく、駐車場のアスファルト舗装や門・塀など間接的に事業で使用する資産も含まれます。

「使用することができる」とは、事業に使用していない倍でも、遊休や未稼働といった状態の資産や、新しく取得しいつでも可動が可能な状態のものも含みます。

土地・家屋・自動車など一部の固定資産や動産などの資産を除き、事業のために使われる資産のほとんどが該当します。

所得税法、または法人税法の所得の計算上、減価償却の対象になる資産と基本的にはほとんど同じです。

 

償却資産の分類

償却資産は、

・構築物(門・塀・アスファルト舗装・煙突・鉄塔など)

・機械および装置(旋盤・ポンプ・太陽光発電設備など)

・船舶

・航空機

・車両および運搬具(貨車・トロッコ・大型特殊自動車などが該当。軽自動車税・自動車税の対象になるものは除く)

・工具・器具・備品(パソコン・机・いす・測定工具・切削工具・ロッカーなど)

という6種類に分けることができます。

 

償却資産の申告は忘れずに

償却資産を所有している場合、毎年1月1日時点での償却資産状況を1月31日までに申告することが必要です。

特に正当な理由もなく申告を行わなかったときには、3万円以下の過料の対象となる可能性があるため注意してください。

もちろん、虚偽の申告についても1年以下の懲役又は20万円以下の罰金の対象となるなど、正しい申告が求められます。

税額はどのように計算される?

資産の取得価額を基礎とし、取得した後の経過年数に応じて価値が減少していきます。その分を減価償却することになりますが、償却分を考慮した上での評価額と課税標準額の計算が必要です。

すべての資産の課税標準額を合計し税率(1.4%)を掛けて税額を算出します。

なお、課税標準額は評価額と一致することが基本です。

評価額は、

評価額=資産の取得価額×減価償却率(経過年数)

で算出します。

課税標準額=評価額(×課税標準の特例割合)

固定資産税=課税標準額の合計×1.4%

という計算式で税額を算出できますが、償却資産の減価償却は原則、定率法で行うことが必要です。