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建設業は短時間勤務による多様な働き方を推進したほうがよい理由

2021.09.07
分類:総務

建設業で働く方の中で育児・介護と仕事を両立させたいと考える方は、フルタイム勤務ではなく短時間勤務を希望することも少なくありません。

また、長年フルタイム勤務で働いていたけれど、家庭や個人の事情によって短時間でなければ働くことができなくなる方もいるでしょう。

そこで、建設業でも多様な働き方を推進していくために、短時間勤務とはどのような勤務になるのか説明します。

労働時間の制約緩和につながる短時間勤務

従来のような画一的な労働制度は、時間や場所などの制約を生み出し、働きにくさを感じさせる職場環境を作り出していました。

定時出社と定時退勤であるフルタイム勤務は当たり前で、残業や休日出勤による長時間労働でも誰も文句をいえない状況にあったといえます。むしろ長く就労時間に関係なく長く働くことこそ、頑張りとして認められてしまうことが多かったでしょう。

しかし働き方改革が叫ばれるようになり、従来までとは異なる働きやすい環境を整備することが建設業でも求められているため、早急に対応が必要です。

短時間勤務は労働時間の制約を緩和させる制度の1つといえますが、育児・介護休業法でも所定労働時間の短縮措置などは義務付けられています。

 

労働者の離職を防ぐ上でも有効

多様な働き方で多様な人材を受け入れることを始めなければ、いつまでも建設業は人手不足に悩まされ、若い働き手を獲得しにくい状況が続いてしまうでしょう。

短時間勤務などはフルタイム以外の働き方が可能となるため、多様な働き方を可能とする働き方の1つです。

事情によりフルタイム勤務はできなくても、短時間勤務なら可能という労働者が無理なく仕事を続けることができ、離職率を低下させることにもつながります。

 

育児・介護休業法による短時間勤務制度とは

育児のため所定労働時間を短縮させることは、短時間勤務制度として育児・介護休業法で事業者に義務づけられています。

対象となるのは3歳に満たない子を育てている育児中の労働者で、短時間勤務制度の利用前から育児休業していないことなど要件を満たすことが必要です。

1日の所定労働時間は原則6時間となるため、退勤時間を早めるか、出勤時間を遅らせるかなど事業者が判断できます。

養育している子が3歳に達するまで(3歳の誕生日前日まで)が適用される期間であり、労働者が男性・女性どちらの場合でも利用可能な制度です。

ただし次の3つの項目に該当する労働者については、労使協定で短時間勤務制度の対象にはならないこともあります。

・雇用されている期間が1年未満

1週間の所定労働日数が2日以下

・業務内容や性質により短時間勤務が困難な業務に従事している

また、3歳から小学校就学前の子を養育する労働者の短縮措置は、企業側の努力義務とされていますので検討が必要です。