建設雇用改善計画によって、ハローワークなどと連携した建設キャリアアップシステムを活用することが推奨されていますが、その背景には様々なことが関係しています。
そこで、なぜ建設キャリアアップシステムの活用が推奨されているのか、活用によるメリットなどについてご説明します。
建設キャリアアップシステムが推奨されている背景には、主に次のようなことが関係しています。
・建設関連職種の有効求人倍率は、新型コロナウイルス感染症の拡大以降も他産業と比べて引き続き高い状況にあること
・建設業の労働力の年齢構成は、他産業よりも高年齢層の割合が高いその一方で、若年層の割合が低く他産業より新規学卒者の入職が少なく、さらに定着率も高く深刻な状況であること
・重層下請構造やダンピング受注などの影響で、他産業よりも雇用環境改善が停滞していること
・人口減少や少子高齢化により労働力が大幅に減少しており、建設産業を持続・発展させることに悪影響になるリスク高いこと
国土交通省と厚生労働省が連携し、全国のハローワークや公共職業能力開発施設では次のような取り組みが行われています。
・建設業に入転職を希望する求職者に対し、建設キャリアアップシステム登録企業に応募することを勧奨する
・技能者を募集する建設キャリアアップシステム登録済みの建設事業主の求人票作成を支援する
・厚生労働省の建設キャリアアップシステムの普及推進の取り組みに対する建設関係助成金による支援を行う
これにより、建設業者や専門工事業者など求人者にとっては、 ハローワークにおける求職者の応募勧奨を受けることができ、求人票の「求人に関する特記事項」欄にはCCUSに係る取り組みの記載ができるといったメリットがあります。
たとえば、
“建設キャリアアップシステム登録事業者で、施工能力などの見える化評価制度では「☆4つ」を取得しています。”
といった記載が可能となり、求職者の応募を集めやすくなります。
また、建設事業主団体が取り組む研修会・説明会の実施やカードリーダー購入や専用アプリの利用に対し、人材確保等支援助成金で支援されるのもメリットです。
一方求職者にとっても、 CCUS登録企業であれば技能者を適正に評価し、労働環境づくりにも取り組んでいる企業を探しやすくなるといったメリットがあるといえます。