マンションの大規模修繕工事は、実際に工事を開始するまでに様々な調査を行って綿密な計画を立てていきます。
その後、施工会社との折衝などが行われていきますが、工事が始まった後でマンション住民と工事を巡るトラブルが起きる例はめずらしくないといえるでしょう。
そこで、大規模修繕工事を行っているとき、マンション住民と起きてしまいがちなトラブルについて説明していきます。
大規模修繕工事を行うと、規模の大きさに差はあっても、騒音・振動・ほこり・臭いなどは発生するものです。
騒音や振動をできるだけ抑える機材も開発され、外壁などに塗る塗料や接着剤も臭いが抑えられたものが使用されるようになりました。
しかし騒音や臭いを完全になくすことはできず、敏感な方なら工事期間中にストレスが発生してしまうこともあるでしょう。
また、外壁改修では粉じんが発生するため、外に洗濯物を干すことができなくなることもストレスとなります。
これらが苦情となり伝えられるのは、いつまで工事を続けるのか周知されていないからともいえます。
いつになれば騒音や振動などから解放されるかわかっていれば、ストレスは多少軽減されるでしょう。
そのため、エントランスやエレベーターホールなどに工事期間を書いた張り紙をしておくか、各家庭に工事の期間や時間を記載したチラシを投函するなど周知を徹底していきましょう。
防犯・プライバシーの対策が十分でないと、たとえばカーテンを開けたときに作業員がバルコニーで作業している場面に出くわすといった問題が起きてしまいます。
工事予定を周知すると同時にカーテンを閉めることや、バルコニーはマンションの共有部分のため作業員が立ち入ることがあるなど、しっかりと伝えておくことが必要です。
大規模修繕工事の苦情は、居住者だけではなく近隣住民からも伝えられることがあります。
騒音や臭いなどによるトラブルが起きないように、近隣にも施工会社がお知らせなど配布したり挨拶したりしますが、管理組合でも事前に近隣住民に対しても工事期間を周知していきましょう。
クレームが起きてから対応するのではなく、居住者や近隣住民と常日頃からコミュニケーションを取っておくことで、発生トラブルを最小限に抑えることができます。