地震による建設被害には、建物倒壊・火災発生・液状化現象・土砂崩れ・津波などが挙げられます。
地震保険は、居住用建物が引き受けの対象であるため、基礎だけでの加入はできません。
また、地震保険は実際の被害額に備える内容にはなっておらず、備えることができるのは、最大でも火災保険で設定した保険金額の50%までとされています。
そこで、地震による建設被害の要因や、引渡前の責任の所在や発生時の対応方法を紹介します。
地震による建設被害は、次のような要因で起こります。
・震度6弱以上の揺れが発生した場合
・耐震性の低い建物と高経年のビルやマンションの場合(経年劣化)
・共振現象(地震の揺れの周期と建物の固有周期が一致し、建物の揺れが増幅される現象)
地震による建設被害の補償は、建設工事保険に地震の特約をセットすることが必要です。
また、地震の被害が第三者に対し発生したときは、建物所有者は民法上の所有者責任に基づいて損害賠償責任を負わなければなりません。
想定外の大規模な自然災害の発生においては、建物に瑕疵がなかったと判断され、損害賠償責任を負わないこともあるとされています。
引き渡し前の建物の責任の所在は、一般的には建築業者にあるといえます。
まだ引き渡しが終わっていないため、建築業者のものであり、管理責任もあるとされるからです。
契約書上、建設業者が現場管理していたにも関わらず、建築業者の責任を超える災害などで出た損害は、双方信義をもって協議するなど曖昧な表現になっていることが多いといえます。
しかし数千万円負担すれば、建設業者の経営は大打撃を受けることになり、施主も今後の生活設計を大きく狂わせてしまいます。
そのため建築中の建物の災害は、建設業者と施主のどちらにも深刻なトラブルを起こす恐れがあると留意しておきましょう。
作業現場で地震やその他災害が発生した場合、原則、人命救助と二次災害の防止を優先します。
被災者の救助をする方や、災害拡大を防ぐ作業をする方の安全が確保されていることが前提です。
災害が起こった場所への立ち入り禁止と作業者の退避、機械停止などで被害拡大を最小限に抑え、二次災害発生を防いでください。
災害の程度を把握し、人命救助を行いますが、救助場所は安全な場所を選択しましょう。
災害の程度や発生状況を確認し、直属の上司や現場所長などに情報を正確に、できる限り早く報告します。
救急隊到着までの間は一次救命処置と応急手当を行いますが、正確に処置ができるように救命救急の知識やAEDの使用方法を前もって身に付けておくことも大切です。