
建設工事業における弁護士は、実際にトラブルが起こってから相談する相手から、企業存続のためのリスク管理の戦略的パートナーに変化しています。
訴訟の代理人でありつつ、企業の信頼と資産を守るコンサルタントでもあるため、弁護士を顧問につけて法務体制を整えることは、元請や施主からの信頼を得やすくなります。
そのため、何か問題が発生したら相談する相手と捉えず、何もなくても連携するパートナーと認識しておきましょう。
そこで、建設工事業における弁護士について、専門的立場での役割を簡単に紹介します。
建設工事業において弁護士は、紛争防止に向けたリーガルチェックを行います。
追加工事代金の未払い問題や工期遅延を巡るトラブルなどが後をたたない状況といえるため、弁護士によるリーガルチェックを事前に行うことで、トラブルを防げます。
現場作業において、急を要する変更は口頭による合意で行われがちですが、後の未払いトラブルの要因になりかねません。
建設業法に則した標準建設工事請負契約書をベースに、追加費用算出根拠や合意方法を明文化してもらえれば、利益を守る防波堤になるでしょう。
建設工事業が弁護士とパートナー契約を結ぶことは、法務リスクの防衛強化となります。
たとえば、過重労働による事故や健康被害が起こった場合には、莫大な損害賠償や刑事罰の対象になる恐れもあります。
弁護士により、就業規則の見直しや36協定が遵守されているか確認してもらうことで、基準に沿った守りの経営が可能となるでしょう。
また、実質は労働者とみなされる偽装一人親方問題についても、実態に即した業務委託契約締結の指導を受けられるため、労働監督署から是正勧告を受けたり社会保険料の遡及徴収されたりといった事態を防げます。
建設工事現場は、施工不良や近隣クレーム、代金不払いなどのトラブルが起こりやすく、紛争にまで発展するケースもめずらしくありません。
紛争やトラブルの発生においては、弁護士に相談して解決方法を提案してもらいましょう。
建設業界に詳しい弁護士なら、建築士などの専門家と連携しつつ、施工による瑕疵が法的責任範囲に含まれるか分析してもらえます。
実際、裁判になれば長い時間と費用がかかるため、建設工事紛争審査会を活用した調停や仲裁を通じれば、早期解決を模索できます。