
建設工事業の賠償リスクには、色々な種類があります。
経営の柱といえる技術力や営業力に対するリスク管理だけでなく、特に重要すべきなのが現場で行う危険と隣り合わせの作業におけるリスクです。
建設現場では、高所作業・重機使用・火気使用など、ミスにより作業員がケガを負ったり生命危機に瀕したり、財産に甚大な被害を及ぼす恐れも高いといえます。
危険と隣り合わせの現場だからこそ、賠償リスクの意識を高めることや、備えは重要です。
そこで、建設工事業と賠償リスクの種類について、損害賠償責任の法的根拠や備える方法を解説します。
建設工事業の賠償事故は、次のタイミングで発生することが多いといえます。
・工事遂行中
・完成品の引き渡し後
・リフォーム現場
工事遂行中には、以下のような対人・対物の賠償事故が起こるリスクがあります。
・建設作業中に工具を落としてしまい、下を通行していた人にケガを負わせた
・クレーンが倒れて隣家を壊した
・溶接の火花で火災が発生した
発生頻度が高く、被害額も数億円に達することがあるため、注意が必要です。
完成品の引き渡し後には、生産物賠償を巡る以下の事故が起こることがあります。
・配管の接続不良により数か月後に漏水が発生し、階下の店舗に損害を与えた
・手すりの固定が甘かったため入居者が転落事故を起こした
リフォーム現場では、施主からの預かり物や管理している財産を汚損または損壊する事故が起こることもあります。
建設工事業では、事故が起こった場合には以下の法的責任を負う恐れがあると理解しておきましょう。
・不法行為責任(過失により他人に損害を与えた場合の責任)
・使用者責任(従業員が業務中に起こした事故に対して、雇用主が負う責任)
・工作物責任(建設中の仮設足場などの設置・保存に欠陥があった場合は、所有者や占有者が無過失でも負う恐れのある責任)
建設工事業では、数千万円やときには億単位の賠償金が発生する恐れもあるため、民間保険へ加入するなどの備えは重要です。
たとえば、請負業者賠償責任保険に加入しておけば、工事期間中の対人・対物事故をカバーできます。
火災や台風などによる自社の工事対象物の破損の損害をカバーできる建設工事保険などもあるため、賠償保険とのセット加入を検討するとよいでしょう。