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津波や洪水で河川が氾濫することを防ぐための工事と堤防の種類

2020.08.16
分類:リスク

施工管理技士の方などは河川構造物の建設工事に従事することもあるでしょう。

もし津波などの影響や、大雨により洪水が発生してしまえば河川は氾濫することもあります。そのような事態に備えるために、そしてダムを蒸留に設置するときの堤防強化などにおいて行われる工事が河川工事です。

河川工事として挙げられる工事にはいくつか種類があり、さらに河川工事で作られる堤防以外にも、他の目的で作られる堤防などもありますのでそれぞれご説明します。

河川工事の種類とその内容

河川工事では堤防や水門を作る工事や、川底を強化する工事が行われますが、主に次のような種類の工事が実施されます。

護岸工事

河川の水流により岸が削られてしまうことを防ぐため、コンクリートや鋼鉄で補強する工事を指しています。自然を維持する目的で植林などもこの護岸工事に含まれます。

築堤工事

洪水などによる氾濫を起こさないように、河川水位が上昇したときに水が外に溢れ出ないよう盛土する工事のことです。周辺の地盤が軟弱なことが多いので、地盤沈下を防ぐ対策として堤防を大きく設けることもあります。

被門工事

河川が逆流してしまうことを防ぐために水門施設を設置する工事を指しています。

河道掘削工事

河川の底に堆積している土砂を掘削して、水位を根本から下げることを行う工事です。

 

河川堤防とは異なる目的の堤防とは?

河川工事で作られる河川堤防とは違い、人工的に水を流すために作る堤防が水路堤防です。

地下水とつながっており、降雨の量によって水量が変わる河川堤防とは対称的なものとなりますが、護岸と透水シーリングによって地下水と断絶した水の流れを作ることが必要です。

流れる水量は一定であり変化することもない水路堤防ですが、作られる主な理由は運河と灌漑にあります。

河川に沿って河川堤防が作られることで、津波や洪水などで河川が氾濫しても人命や不動産などの資産は守られることになるでしょう。しかし水路堤防の場合、運河や灌漑など人が生活する上で快適さや便利さを高めることを目的としています。

運河は人工的に作られた水路で、船舶や給水・排水施設としても活用されます。灌漑とは田畑に人工的に水を引くことですが、水路堤防を築いて水の流れを人工的に作り出すことにより、雨があまり降らない時期でも河川・湖・地下水などから取水が可能となります。

津波や洪水に備えるための河川堤防とは異なるものなので、工事を行う上でもその目的や違いを理解しておくことが大切です。