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建設業でアスベストを扱うときには様々な注意が必要

2021.08.25
分類:リスク

石綿(アスベスト)とは、天然に産する繊維状けい酸塩鉱物のことで、繊維が極めて細かいことが特徴です。

依然はビルの建設工事などで、保温断熱を目的としこのアスベストを吹き付ける作業が行われていました。

しかし研磨機や切断機などを使用した石綿除去などを行うと、飛び散ることや人が吸い込むことが問題となるため、昭和50年には原則禁止となり、製造もされていません。

人が吸い込むと肺線維症(じん肺)や悪性中皮腫、肺がんなどを起こすリスクが高まるため、建築物・工作物の解体工事などに伴う石綿(アスベスト)飛散防止対策が強化されています。

石綿が原因で発症する病気

石綿(アスベスト)の繊維は、肺線維症(じん肺)や悪性中皮腫の原因になるといわれており、肺がんを起こす可能性があると知られています。

吸い込んですぐに健康被害があらわれるのではなく、長い年月を経て出てくることが特徴で、中皮腫などは平均35年前後の潜伏期間を経て発病することが多いようです。

そのため石綿を扱う方や過去に扱っていた方は、作業方法によるものの定期的に健康診断を受けたほうがよいといえるでしょう。

仕事で扱う方の健康診断は、労働安全衛生法により事業主にその実施義務があるとされています。

石綿で疾病を発症した場合には、労働基準監督署の認定を受け業務上疾病とされれば、労災保険で治療もできます。

 

アスベストが使用された建築物の解体作業を行うときには

アスベストを使用した建築物の解体作業を行うときには、労働安全衛生法で次のことが規定されています。

○解体や改修を行う建築物に石綿が使用されているか事前調査を実施する

○石綿が使用されている建築物の解体や改修を行う前に、労働者にばく露防止対策などを定めた作業計画を立てて作業を行う

○石綿が使用されている建築物の解体作業に従事する労働者には、石綿の有害性・粉じんの発散防止・保護具の使用方法などの特別教育を実施する

○石綿作業主任者を選任した上で作業方法を決め、労働者の指揮などを行うよう指示する

○石綿を含む建材など解体するときには、労働者にばく露を防止するための呼吸用保護具・作業衣・保護衣を着用させ、粉じんの飛散防止のために建材は湿潤なものにする

○常時これらの作業に従事する労働者には6か月ごとに1回の特殊健康診断を実施し、1か月を超えない期間ごとに作業記録を作成する(健診記録と作業記録は30年間保存が必要)