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施工した看板落下!その責任の所在は誰に?

2022.02.01
分類:リスク

しっかりと施工したはずの看板が落下してしまったとき、その責任の所在はどこにあるのかが気になるところでしょう。

どれほど丁寧に工事を行い、施工した看板だった場合でも、年月が経過すれば老朽化し落下してしまう可能性もあります。

看板を設置するときには、ビルの一部である建築構造物として扱われるため、看板を設置した業者がすべての責任を負うというわけではありません。

そこで、ビルに看板をつけたときに関係するのは誰か、落下したときの責任の所在について説明していきます。

ビルに看板をつけることに関係する者

ビルに看板をつけることに関係するのは、次のような方たちです。

・ビルオーナー

・ビル管理会社

・ビル管理組合

・ビルテナントの入居者

・看板販売代理店

・看板施工会社

・看板スポンサー

もしも看板が落下したことで誰かにケガを負わせたときには、かかった治療費や慰謝料は誰が負担しなければならないのでしょう。

看板が落下したことにより歩行者がケガを負ったときの賠償責任については、なぜ看板が落下したか、その原因によってことなります。

老朽化による落下の場合は、看板・ビルの管理責任者がその責任を負うことになるでしょう。

ビス止め本数が不足していたことによる落下など、看板施工のミスが原因であれば、工事請負会社が責任を負うことになると考えられます。

火災・地震・落雷・台風・津波・大雨・洪水など自然災害を原因とする場合には、ビルオーナーに責任の所在があるといえます。

 

路面の看板を一部壊されたときの修理代

では路面の看板設備の一部を壊されてしまったことで、修理を行うときには、その設備のオーナーがその修理費を負担することになります。

看板面のビジュアル・オブジェの場合には、広告スポンサーがオーナーとなるため修理代金を支払うことが一般的です。

看板の保守管理を任せている場合には、管理を委託している会社が「施設賠償責任保険」に加入していることもあるでしょうが、 「施設賠償責任保険」は歩行者がケガを負ったときの損害を補償しても看板自体の修理に使えるわけではありません。

路面に掲出していた看板を歩行者に壊されたり落書きされたりしたときの補償を保険で補填したい場合には、看板オーナーが加入する動産保険が対象となります。

第三者による看板設備損壊の修理費用が施設賠償責任保険とセットで対象になることもあるため、具体的な内容などは確認が必要です。