キッチン、トイレ、洗面台などの水回りに設置される住宅設備機器(衛生設備)や、給水管、排水管、排水桝、雨水桝、給湯設備などの給排水設備を新しく設置したり、交換したりする作業を行う工事を給排水設備工事といいます。
排水管が詰まってしまうと、トーラーや高圧洗浄機などで管を掃除し、それで解決に至ることもあれば、勾配に問題が発生していたりすでに管が破損したりしていることで、排水管を交換しなければならないケースもあるのです。
排水管工事は利用する衛生設備の種類によって寸法などに決まりがあるので、排水管設備には厳しい基準があると理解しておいてください。
排水管工事には大きく、屋内排水管工事と、屋外排水管工事に分けることができます。
屋内排水管工事とは、建物内のキッチンや浴室などから排出される雑排水、そしてトイレから排出されるし尿を含んだ汚水を建物の敷地外に出すために行う工事です。
屋外排水管工事は、敷地まで繋がった排水管を下水道処理施設へ通じる下水道本管と接続する工事や、敷地の雨水を処理するために必要な雨水管を設置するための工事などを指しています。
排水管工事は利用する衛生設備によって、排水管内径の最低寸法、排水管内径による排水勾配の最低限度など、用いる排水管設備に厳しい基準が設けられている点に注意が必要です。
仮に一般住宅のトイレの屋内排水管を設置する場合、用いる排水管は内径75mm以上で、1mの距離で10mmの高低差以上の勾配が必要とされていますし、屋外排水管の排水管は内径100mm以上、1mの距離で20mmの高低差以上の勾配で施工が必要とされています。
もし規定のある衛生設備や排水量などを守らずに施工すれば、汚水の逆流や排水管の詰まりを起こしてしまう原因となると理解しておきましょう。
下水の排除方式にも分流方式と合流方式という種類があり、住むエリアによりどちらの排水の処理方法が採用されているか異なります。これらの違いも把握しておくとよいでしょう。
汚水用排水管と雨水用排水管、この2種類の排水管を設置して、汚水は下水処理施設に、雨水は海や川へと直接放流する方式です。衛生や環境面への配慮に優れている方式であるといえるでしょう。
汚水と雨水、どちらも1つの排水管で下水処理施設に送られることになりますので、設置する排水管の本数が少ない分、コストや工事負担を削減できます。ただ、一定の処理量を超えた場合には処理できない状態のまま、汚水が海や川に放流されることになってしまうことがデメリットです。