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電気が通る道はどこ?「送電線工事」と「配電線工事」の違いとは

2022.08.03
分類:その他

電気は、需要と供給のバランスを崩さないように消費電力量を予測し、原子力・火力・水力・風力・太陽光などの発電所でつくられます。

貯蓄することはできないため都度作ることが必要ですが、各発電所でつくった電気は電線を通り、変電所で電圧を下げて各家庭や工場・鉄道など様々な場所に届けられることになります。

では、その電気が通る道と呼ばれる部分はどこなのか、「送電線工事」と「配電線工事」の違いも踏まえて説明していきます。

「電気」が通る道と呼ばれる部分とは

電気の通り道と呼ばれる部分は、主に次の3つです。

・発電所から配電変電所までつなぐ電線「特別高圧送電線」

・配電変電所から柱上変圧器までつなぐ電線「配電線」、

・柱上変圧器から家庭をつなぐ電線「引込線」

そして、送電線を支えるのが「鉄塔」であり、配電線を支えるのは「電柱」です。

 

「送電線工事」と「配電線工事」で異なる作業

配電線・引込線・屋内の配線などの工事業者は比較的人々の生活の身近な場所で工事を行うことが多いといえます。

しかし送電線工事の場合、人が通らない山間部などで行うことが多く、高さのある鉄塔に上り作業を行わなければなりません。

電気を扱う工事であることは共通していますが、電圧や作業環境などが大きく異なるといえるでしょう。

・送電線工事

・配電線工事

2つについて説明していきます。

送電線工事

発電所で発電された電気は、7千ボルト以上の特別高圧送電線を通って送り届けられます。

特別高圧送電線には、

・架空送電線

・地中送電線

2つがありますが、送電線工事は架空送電線の架線工事に従事します。

電線架線作業では、鉄塔の上って鉄塔と鉄塔の間に電線を架設していきます。

地上では電線の架線前に電線が配電線や道路に接触しないよう、防護足場を構築して電線延線用の延線用エンジンと電線ドラムを配置します。

他にも電線を接続する電線接続器の準備や、碍子金具の組立てと取付け、金車やワイヤーロープ配置など、高所作業のために必要な準備作業も行っていきます。

配電線工事

配電線工事は、配電変電所から電柱の上に設置される柱上変圧器までの区間にある配電線に関する工事です。

ライフラインの新設で、新たに電線を取り付ける作業を行い、仮に自然災害などで停電したときには復旧作業も行います。

配電線工事は、電線の設置方法により次の2つの工事に分けることができます。

・架空配電線工事

・地中配電線工事

それぞれの工事について説明していきます。

架空配電線工事

架空配電線工事とは、空中に電線を通す配電線を設置する工事です。

電柱を利用した電線のことで、電柱の建て替えや柱上変圧器の吊り替え、新たに配電線を引く作業を担当します。

地中配電線工事

景観維持や安全性向上、防災などを目的とした無電柱化のため、地中に配電線を設けるための工事が地中配電線工事です。

共同溝や地中ケーブルを利用して行います。