住みやすい街づくりや環境作りを目的として、設備工事や土木工事などが行われることがありますが、その工事が自然環境に対し負荷をかけることにもなります。
そこで重要といえるのが、工事から動物や自然を守る「自然環境保全」です。
必要な工事を行う上で、どのように動物や植物を保護すればよいのか、「自然環境保全」の考え方について説明していきます。
工事現場には、突然、動物が迷い込んでくることもあれば、国立公園指定植物が確認されるといったこともあります。
川の中で行う工事では魚が迷い込んでくることもありますが、動物や植物を保全するためには地域の方と協力して、たとえば動物や魚を逃がしたり植物の植え替え作業を行ったりすることが必要といえます。
中でも河川や調整池のしゅんせつ工事や清掃作業などでは、生息する魚が傷ついてしまったり下流に流れてしまったりなど、自然生態系にまで影響を及ぼしてしまう可能性もあります。
川底の泥を巻き上げることになれば水が濁ることとなり、その濁った水で住むことができなくなった魚がいなくなってしまうかもしれません。
生物多様性の保全のためにも、工事による環境影響を前もって予測し、工事と環境保全が対立してしまうことを避けながら、発注者と利害関係者のどちらも納得する工事を行うことが必要です。
動物や植物の保全のために、工事前には「環境アセスメント」を実施しましょう。
環境省の環境アセスメントの定義は以下のとおりです。
“環境アセスメントとは、開発事業の内容を決めるに当たって、それが環境にどのような影響を及ぼすかについて、あらかじめ事業者自らが調査、予測、評価を行い、その結果を公表して一般の方々、地方公共団体などから意見を聴き、それらを踏まえて環境の保全の観点からよりよい事業計画を作り上げていこうという制度です。”
環境配慮工事において、「工事」を行うことは環境を破壊することというイメージを払拭するために、環境に配慮した工事を標準化させることが欠かせません。
そこで環境アセスメントを実施し、工事計画を策定するときの地域住民や専門家に対する理解を求めるようにしましょう。
環境アセスメントが必要になる工事として、
・河川の浚渫(しゅんせつ)工事
・調整池の池干し工事
・公園内などの池の池干し工事
などが挙げられます。