「工事」にはいろいろな種類があり、たとえば規模の大きな土木工事や、一部の建物を修繕する小規模な工事なども含まれます。
しかし、実は建設業に含まれない工事もあり、たとえばメンテナンス工事などはその例で、保守・点検作業・維持管理に伴うものは建設工事にはカウントされません。
そこで、いろいろな工事がどのような基準で分類されるのか、建設工事に該当するか決める要素などについて説明していきます。
建設業は、建設工事の完成を請け負うことと定義されています。
そのため建設業で行う建設工事は、建築物や工作物を新築することや、改築や解体などで完成させることであり、完成を請け負うことのない作業は建設工事に含まれないと考えられます。
建設工事に含まれる工事を例に挙げると、以下の工事などが該当します。
・国から発注されたダム築造作業
・自治体から発注された公民館建築作業
・維持管理を目的とした道路の補修作業
反対に、建設工事に含まれるように感じるものの、建設工事として扱われないのが次のような工事です。
・土木工作物建設に用いるプレキャスト製品の製造
・維持管理を目的とした除草や除雪作業
建築物の設備で、部品を交換する作業は修復や修繕に含まれるともいえますが、実際には建設工事とはみなされません。
建設工事に含まれない作業には、次のような工事などが挙げられます。
・保守
・点検修理
・維持管理
・調査
・測量
・運搬
・消耗部品交換
・土地に固定されない動産に関しての作業
いずれも完成させる工事とはいえず、建設業法の建設業の定義にも該当しないため、建設工事にはならないといえるでしょう。
メンテナンスを行う工事にもいろいろありますが、業務の内容によっては建設工事に含まれないことに注意してください。
検査・調査・部品交換・修理・維持管理などのメンテナンス業務は建設工事には含まれないため、建設業許可を取得しなくても問題ないともいえます。
ただ、これらの業務に従事しても実務経験にはカウントされないため、どのような作業や工事が建設工事に該当するのか理解しておき、もしも実務経験を必要とする仕事につきたいときにはこれらを踏まえた上で検討することが必要といえます。
あくまでも建設工事は「完成」させることが基準となり、見分けるときのポイントともいえるでしょう。