建設工事で使用する機械設備や車両は、永遠に使えるわけではなく、いずれ壊れたり使えなくなったりすると考えられます。
実際に使用可能か不可かといった状態ではなく、会計処理では耐用年数によりその残存価値を判断します。
償却資産の種類によって耐用年数は細かく決められており、建物や車両、工具などの年数はそれぞれ異なります。
そのため、償却資産ごとに決められている耐用年数とは何なのか、耐久年数との違いについて説明していきます。
耐用年数とは、資産を使うことができる期間を意味します。
資産は使用すればするほど物理的に損耗していくものであり、当然、価値も低下・喪失します。
また、資産は数十万円や数百万円など金額が大きいため、消耗品費のように一度に経費として計上してしまうと、購入した年度のみ節税効果で得をすることになってしまいます。
そのため、使用し始めてから喪失するまでの期間を耐用年数という年数であらわし、毎年少しずつ減少した価値分を減価償却費として損金算入する処理をします。
建築物の場合、次のような耐用年数の種類があります。
・建物自体の物理的な寿命を根拠とした物理的耐用年数
・法律上の減価償却を定めている法定耐用年数
・社会的寿命を根拠にした社会的耐用年数
・家賃や分譲価格を算出するときの償却用耐用年数
耐用年数5年の償却資産では、5年間減価償却費として計上することになります。
では、耐用年数と耐久年数は何が異なるのでしょう。
建物を例にした場合、建物の耐用年数の期間を過ぎても、住んではいけないわけではなく、あくまでも何年で価値を減少させていくかという目安の年数になります。
そして耐久年数は、住宅メーカーなどが独自で行ったテストや診断などで、住宅として使用することに問題ないとした年数です。
ただ、耐久年数を過ぎたからといって、何かすぐに問題が起きるわけでもなく、耐久年数前に問題が起きる場合もあります。
判断の根拠に特に決まりはないため、あくまでも推定や目安であるといえるでしょう。
耐久性を高めるリフォームなど行った場合、実質的に耐久年数を伸ばすことはできると考えられます。
住宅の寿命は30年といわれていますが、リフォーム工事によってさらに長い年数において快適な暮らしが可能になることでしょう。