建設業の職業能力として、建築や土木に関する専門的知識や技術、現場管理能力などが挙げられます。
能力習得方法は、実際に建設工事現場で実務を通して技術を身につけるか、資格を取得するなどです。
また、職業能力開発総合大学校の建築専攻で、模擬家屋を組み上げる実習を行えば専門的な知識や技術が習得できるでしょう。
建築業界は、気候変動による影響や災害からの回復の必要性、人手不足を補う上での技能習得など多くの課題を抱えています。
様々な課題を解決するためにも、建築設計技術だけでなく建築工学の技術・技能が欠かせません。
そこで、職業能力開発総合大学校について、建設業の技術・能力を学べる場所を簡単に紹介します。
職業能力開発とは、仕事に役立つ知識・技術を身につけるための学習活動です。
なお、職業能力評価基準は、業種・職種・職務ごとで、仕事をするために求められる知識・技術・職務行動例を整理したものといえます。
職業能力開発総合大学校とは、厚生労働省所管の国立の工科系省庁大学校です。
略して「職業大(PTU)」とも呼ばれる職業訓練の中核機関であり、仕事で役立つ技術や人材スキル、能力開発に関する研究などを行っています。
ただし、文部科学省所管の一般大学とは異なるため、学位の授与はありません。
あくまでも、職業訓練指導員の養成・研修などを目的に国が設立した大学校であるため、文部科学省の管轄下で学校教育法に基づき設立した大学とは異なります。
ただし、国家公務員試験では、応用課程修了により大学卒と同等の扱いとなり、地方公務員や民間企業の求人においてもこの基準に準じた採用条件になっています。
職業能力開発総合大学校の建築専攻は、建築材料学・建築仕上げ・鉄筋コンクリート施工・左官・タイル施工など分野を専門とします。
講義・演習で理論を学び、実験・実習で建物をつくり、最新技術で建物評価を行います。
これらの実践的で総合的な教育プログラムにより、専門的な知識や技術を習得できるといえますが、カリキュラムの内容は以下のとおりです。
・建築材料学・建築材料実験・鉄筋コンクリート施工・左官・タイル施工などの分野を学ぶ
・一般的な理論を実験により確認し、理論と現象のつながりを総合的に学ぶ
・鉄筋コンクリート工事・左官・タイル工事における技能要素を実習で体得する