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海外との情報のやりとりなどで使われる海底ケーブルの工事はどのように行われる?

2020.05.08
分類:その他

海外のメディアで放送されている内容を日本でもリアルタイムでも放送され、国際電話やメールでの外国とのやり取りなど、これらは海底にしかれたケーブルの工事が施された結果によるものです。

実際に海底ケーブルの工事に携わったことがある方は多くないかもしれませんが、どのような工事内容なのか知っておきましょう。

海底ケーブルとは?

海底ケーブルは海を越え様々なデータのやりとりを行う際に使われます。

色々な国同士がやりとりするため、海底にしかれているのが海底ケーブルであり、そこでは大量の情報が行き来します。その量は、1秒間でDVD2,100枚分というほどで、通信衛星の1,000倍以上です。

通信衛星を使った衛星中継などが従来まではメインでした。しかし現在では海外との通信の多くは海底ケーブルでやりとりされています。

衛星中継よりも海底ケーブルを使った情報の伝達のほうがはやく、台風や雨などの影響も受けにくいことが特徴です。

 

海底ケーブルとはどのようにできている?

世界初の海底ケーブルは160年以上前である1850年、イギリスとフランスをつなぐためにつくられました。この時代は電信によるやり取りが主流でしたが、初めて海底ケーブルができたことで世界中に広がっていく最初のきっかけとなったわけです。

たとえば日本とアメリカを結ぶ海底ケーブルで、最も深い場所で海底8,000mとなり、深海では気圧がかかることも考慮しなければなりません。

深い海の海底ケーブルは直径2cmくらいですが、浅い場所では何かにぶつかったりしたときのために太めにつくられています。

深さに合わせていろいろな種類の海底ケーブルをつくりはりめぐらせるわけですが、情報が行き来する内側の光ファイバーのまわりを鉄線や銅板、ポリエチレンを囲むようにして作られます。

 

海底ケーブルをしく工事の内容

そのような海底ケーブルをしくためには、まずは海底の調査を行いどの道すじでケーブルをしくことが最も適しているのか決めます。

海底ケーブルをしずめる際、浅い場所では海底のさらに下に溝を作り海底ケーブルを埋めていきますが、深い場所は動いている船から海底ケーブルをたらしていきます。海底の地形、潮の流れも計算しながら、数千メートルも下の場所をねらいます。

また、海底ケーブルは地震や津波の観測にも使われており、観測用の機械を海底に設置しておくことで、近隣で発生した地震の観測データを海底ケーブルで伝えます。地震や津波が発生する前に警報を発令できるのは、この海底ケーブルの手伝っているところが大きいといえるでしょう。