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建設工事を行う前に知っておきたい耐火構造と防火構造の違いとは

2020.07.23
分類:その他

様々な建物の建設工事に携わる中で、建物には火災発生の際の耐火性能に違いがあることに気がつくこともあるでしょう。

たとえば耐火構造と防火構造の2種類がその例ですが、名称は似ていますが内容や特徴は大きく異なります。

そこで、耐火構造と防火構造はどのような違いがあるのか把握しておきましょう。

耐火構造の建築物の特徴

耐火構造とは住宅金融支援機構で定められている建物構造で、鉄筋コンクリート造、レンガ造、鉄鋼モルタル構造などの建物が該当します。

ただ、耐火構造に該当する要件を満たせば、木造住宅にも耐火構造を持つ住宅として認められます。

耐火構造の場合、火災が発生したときに建物が倒壊したり周辺に延焼したりなどの被害を防ぐことを可能とする構造であることが必要です。

そのため、外で火災が発生した際にはもらい火などの延焼を防ぐ構造であることが求められます。

さらに建物内で火災が発生した場合でも、一定時間は火元となった部屋から火を出さず、さらに他の部屋へと燃え広がりにくくするための資材が用いられていることも必要です。

耐火構造のメリット

建物内のどの部屋で火災が発生したとしても、他の部屋まで火が燃え広がりにくいことが大きなメリットです。火災が発生した部屋を封鎖すれば、避難する時間を確保できますし避難完了までの間建物が倒壊しにくくなります。

さらに木造住宅で耐火性能を保有する建物の場合、万一の際に加入する火災保険の保険料も割安になります。

一般的に木造住宅は木材で建築されるため、火に弱く燃えやすいことが特徴です。しかし耐火構造以上の性能がある木造住宅の場合、鉄骨造などと同じ構造としてみなされるため、一般的な木造住宅よりも保険料は安く抑えることができるでしょう。

耐火構造のデメリット

対する耐火構造のデメリットは、なんといっても建築費用が高額になりやすく、改築工事などが行いにくい点です。

さらに耐火構造の建物は重量がかさむことが多いため、地盤が軟弱な場合はしっかりと補強しておかなければならず、その費用も発生してしまいます。

 

防火構造の特徴

防火構造は建築基準法に基づく構造を指しており、外壁と軒裏などには防火性の高い資材が使われている構造です。

防火構造は外壁と軒先に対し、防火性能を保持できる部材を用いればよいため耐火構造よりも工事費用などは安く抑えることができるでしょう。

しかし建物内部で火災が起きてしまったとき、耐火構造よりも短い時間で延焼してしまうこともあるので、その点は留意しておきましょう。