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モルタル吹付工やコンクリート吹付工と呼ばれる工事は何のために行う?

2020.07.25
分類:その他

建設工事の中には、モルタル吹付工など吹付工を行うことがあります。

これはモルタルやコンクリートにおいて、法面や崖面を覆う工法のことですが、なぜそのようなことを行う必要があるのか、どのような場面で工事として行うことになるのか知っておきましょう。

吹付工を行う理由

モルタル吹付など吹付工を行う理由は、岩肌の法面を保護・被覆すること、法面表面が風化し崩壊することを防止すること、浮石を固定すること、落石防止などです。

法面の整形と清掃を行った後でラス金網を張り付け、さらにその上にモルタル・コンクリートを一度に吹付けます。

吹付工の種類

吹付工は崖や法面に吹付け材料を吹き付ける工法なので、あくまでも斜面が自立安定していることを前提としています。

吹き付ける材料で工法は分類されることになりますので、種類として挙げられるのは客土吹付工、厚層基材吹付工、モルタル吹付工、コンクリート吹付工などです。

ただ一般的にはモルタル吹付工やコンクリート吹付工を指して吹付工と呼ぶことが多く、厚層基材吹付工は植生工や緑化工と呼ばれることが多くなっています。

 

吹付工が用いられる場面

切土のり面やトンネル覆工などにも広く用いられる工法ですが、高圧ホースやパイプを介し、圧縮空気を使ってモルタルやコンクリートを所定位置まで搬送し、打設・締固めも型枠は使わずに圧縮空気で吹き付け行います。

崖面不安定化の形態として挙げられるのは、浸食から崩落、表層崩壊、抜け落ち、地すべり性崩壊などです。

吹付工単独で対応可能となるのは、施工の際にある程度安定性が保持されていることを条件として、浸食から崩落、表層崩壊、抜け落ちの形態が挙げられます。

不安定性が顕在化しているけれど、崩落で小康状態となった崖面でも適用範囲となります。ただし不安定性が顕在化しており抑止力の導入が難しい場合には、別途併用工の計画が必要となるでしょう。

 

吹付けの厚みはどのくらい?

モルタル吹付工やコンクリート吹付工は、法面に湧水がなく危険は少ないといえます。主に吹付工を用いる場所とは、風化しやすくはげ落ちてしまう危険性のある岩、切土したすぐの状態では固いけれど表面からの浸透水で不安定になりやすい土質、植生工が適用できない箇所などです。

モルタルを練り上げておき、エアーの圧力で送りそのまま地山に叩きつけて密着させる工法です。

吹付けの厚みは気象条件や法面の状況により決まりますが、一般的にはモルタル吹付工なら510cm、コンクリート吹付工では1020cmを標準としています。